大学校及び設置科 北海道職業能力開発大学校 生産システム技術系共同開発
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 機械系(設計、機械加工)、電気・電子系(シーケンサ、電子回路実装技術)電子情報系(アプリケーションプログラミング技術)
課題に取り組む推奨段階 応用課程2年
課題によって養成する知識、技能・技術

各科のテクニカルスキルおよびヒューマンスキル・コンセプチュアルスキル 学外関係者とのコミュニケーションスキル

製作の目的と概要

当校のある小樽市は観光地として有名で、観光土産品としてガラス細工と並びオルゴールにも人気があります。小樽市にあるオルゴール専門店から当校への依頼で、オルゴールシリンダ自動加工機を開発することになりました。オルゴールの仕組みは円筒状のシリンダが回転し、シリンダに設けられた突起部が櫛歯と呼ばれる部品を弾くことで音を奏でます。シリンダに突起部を形成する方法として金型プレス式と針打ち式があり、今回は少量生産に適した針打ち式を採用しました。針打ち式はシリンダ円筒面状に穴をあけ、あけた穴に対して針を打ち込み、適正長さで針をカットすることで突起部を作ります。この一連の工程を自動で行うシリンダ加工機があれば金型なしで好きな曲を自由にオルゴールにすることができます。

★技能・技術習得目標:
学外関係者との対話を通じてコミュニケーション能力を高めます。

成果

開発したオルゴールシリンダ自動加工機を使用しシリンダに針を自動で打ち込むことができました。また製作したシリンダをオルゴールメカに組込み、曲を鳴らすことに成功しました。操作方法はパソコン上で動作するオルゴール編曲ソフト(学生制作)を使用し、ピアノロール(楽譜)上にノーツ(音符)を配置します。編曲が完了したら加工データを加工機に入力します。加工機は加工データに従いノーツ(音符)に対応した位置に穴あけ→針打ち→針カットを自動で行います。

★アピールポイント:
オルゴール店に並んでいるオルゴールシリンダのほとんどが金型プレス式でつくられています。金型プレス式は金型コストを償却するために大量生産が前提になっていることからメジャーな曲に限られます。このオルゴールシリンダ自動加工機を使えば、校歌やオリジナル曲などを自由に1品から製作することができます。
オルゴールシリンダ自動加工機の開発(H28)の画像1
図1 オルゴール編曲ソフト
オルゴールシリンダ自動加工機の開発(H28)の画像2
図2 オルゴールシリンダ自動加工機