大学校及び設置科 関東職業能力開発大学校 電子情報技術科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 組込みソフトウェア基礎実習、データ構造・アルゴリズム、ネットワーク技術、ネットワーク実習
課題に取り組む推奨段階 専門課程2年
課題によって養成する知識、技能・技術

プログラミング応用技術、ネットワーク応用技術、Web活用技術

製作の目的と概要

本課題は、小山市のIT推進課からの要請に応え、総合制作実習として取り組んだものです。小山市では,総務省の「電子行政オープンデータ戦略」に基づき、昨年度より試行的にオープンデータの提供を開始していますが,これらの利活用について有効な方法を模索している状況にあり、当校にも協力要請がありました。本課題では、身近で、役立つアプリケーションを開発し、オープンデータのひとつの利用例を提示することで、その有用性を示すことを目的としています。具体的には、近年、組込み分野(取分けIoT)でも注目されているHTML5およびその周辺技術を使用し、オープンデータとして公開されている小山市の観光情報や「おーバス」と呼ぶコミュニティバスの路線データを活用したスマートフォン対応のWebアプリケーションを制作しました。
★技能・技術習得目標:
プログラミング応用技術、ネットワーク応用技術、HTML5やJavaScript®等のWeb活用技術を習得します。

成果

 オープンデータを取り込み、Google Map®のWebサービスと連携して、地図上に、現在位置、バス停、観光スポットを一括して表示し、操作できるようにしました。これにより路線図、観光マップとして使用できるようになりました。各バス停の路線ごとの時刻表も、簡単な操作で表示できるようになっています。また、ルート検索機能により、現在地から指定したバス停や観光スポットまでの経路や所要時間、距離を調べることができます。ルート検索のスタート位置は、バス停や観光スポットに設定することもできるため、バス停から観光スポットまでの経路を簡単に探すことができます。このルート検索は、徒歩での移動、車での移動に対応しています。
★アピールポイント:
 現時点において、小山市に類似の取り組みはありません。現状、コミュニティバスの路線図や時刻表は、同市のホームページにおいて、PDF形式で個別に提供されており、またバス停の詳細な位置を知るには、別途、路線検索システムを使用する仕組みとなっているため、使い勝手が良いとは言えません。本成果物では、簡単な操作で、これらの情報を地図上で一括して扱うことができ、ルート検索の手段も提供しています。また、街なかで使えるように、スマートフォン対応のユーザインターフェースを採用しています。Webアプリケーションであるため、Webブラウザがあれば、PCや端末のOSに依存せず動作することも利点のひとつです。
オープンデータを利用したスマートフォン対応Webアプリケーションの制作
~ルート検索可能な小山市コミュニティバス路線・観光マップ~(H28)の画像1
図1 バス停から観光スポットまでのルート検索例(徒歩モード)
オープンデータを利用したスマートフォン対応Webアプリケーションの制作
~ルート検索可能な小山市コミュニティバス路線・観光マップ~(H28)の画像2
図2 時刻表の表示例
オープンデータを利用したスマートフォン対応Webアプリケーションの制作
~ルート検索可能な小山市コミュニティバス路線・観光マップ~(H28)の画像3
図3 観光スポットの説明表示例