大学校及び設置科 関東職業能力開発大学校 生産システム技術系共同開発
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 自動化機器設計、CAD/CAM応用実習、精密加工応用実習、自動計測実習、電気装置設計製作実習、セキュアシステム構築実習、組込みシステム構築実習
課題に取り組む推奨段階 応用課程2年
課題によって養成する知識、技能・技術

機械設計技術、機構設計技術、機械加工技術、組立て技術、PLC制御技術、自動計測技術、センサ・アクチュエータ技術、通信技術、電子回路設計、基板製作、TCPIPソケット通信、データベース構築、プログラミング技術

製作の目的と概要

 本課題は、地元自動車メーカ工場からの依頼による装置開発です。メルシート®材とは、自動車の防音・防振対策のために車体に貼付けるアスファルトシートです。現在、貼付けは手作業で行われており、車種により必要なメルシート®材7~9枚を作業者が棚の中のケースからピッキングし、貼付けています。そのため、ヒューマンエラーが発生することがあり、改善が必要とされています。そこで、ピッキングを自動化し、エラーの低減および作業効率の向上を目的に取組みました。

★技能・技術習得目標:
3科の個別技能・技術の習得およびそれら知識・技能・技術の有機的融合と創造を習得します。

成果

 本開発課題テーマは、実際に自動車組立て工場で稼働させることを前提に取組んできました。そのため、塗装工場では使用できないシリコン含有物の使用禁止等の制約を受けた上で、工場内の設置計画書の作成(設置場所、設置条件、安全、可動率、社内通信基準等)も行っております。完成度は、十分な能力を有している上(成功率98%、タクトタイム90秒/1車種、設置寸法1200mm以内)、種々の社内基準も満たしているので工場内への展開が始まっています。開発課題実習の目的である、「実際に企業で問題となっていることを解決」し、「製品になり得るもの」というレベルに達しました。

★アピールポイント:
 依頼元が県内工場であり、学生の就職・セミナー受講の業務に繋がっています。今年度も推薦にて1名の内定、7コースのセミナー実施となっております。PRの観点では、3月27日付け日刊工業新聞全国版自動車面のトップ記事として掲載されました。
「メルシート®材」の自動ピッキング装置の開発(H28)の画像1
図1.メルシート®材自動ピッキング装置の外観