大学校及び設置科 中国職業能力開発大学校 附属福山職業能力開発短期大学校 電子情報技術科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 組込みソフトウェア基礎実習、移動体通信技術、データ構造・アルゴリズム実習、組込みオペレーティングシステム、センサ工学
課題に取り組む推奨段階 専門課程2年
課題によって養成する知識、技能・技術

Bluetooth Low Energy通信デバイスの制御、焦電センサ増幅回路技術、PIC®による組み込みプログラミング技術、省電力化技術3種類(オペアンプ増幅回路、PIC®のXLP超低消費電力管理、BLEデバイススリープ動作)、ACCESS®DB技術、C#®アプリ作成技術

製作の目的と概要

最近、物のインターネット化(IoT)のキーワードが非常に目立ってきました。そのキーポイントは広域に分布されているセンサーからのデータの収集分析活用です。
またこのセンサーからの通信として低消費電力である新しい規格として提案されているBluetooth Low Energy(BLE)を採用しました。本実習においてセンサー回路を作製することにより電子回路の設計技術、BLE通信を実現することにより通信規格の理解、実装の技術、センサーデバイス内マイクロコントローラのプログラミング手法、ホストシステムでのデータ収集、データベース化、集計を含めたプログラム開発技術を取得することが出来、より総合的な能力を身に付けることを目標としました。
★技能・技術習得目標:
 課題を通して、BLEの通信制御技術、焦電センサーを使用する回路技術、オペアンプ回路/PIC®コントローラ/BLEデバイスの低消費電力化技術、BLEからのデータのデータベース化技術、データ利用技術を習得します。

成果

IoT型センサーデバイスとして小型BLEデバイスを作成。3台作成し、部屋の入口、部屋の中央部に設置。人の通る場所を監視し、BLE通信にてホストに人の検出を伝えました。
ホストシステムとして、小型のスティックCPUを採用。C#®フォームアプリにおいて、BLE通信を受信し ACCESS®データベースに集計した。集計した各週、各時間における過去のデータと現時点のデータを比較し、過去データより多く人の反応を検出した場合、アラームメールを出すことのできるセキュリティシステムを開発しました。
★アピールポイント:
小型BLEデバイス内のセンサ回路、PIC®コントローラ、BLEモジュールのそれぞれの低消費電力化により、小型BLEデバイス全体でのスタンバイ時の電流を30μA、人物反応時1.2mAの低電流化を達成しました。小型のボタン電池CR2032を使用した場合でも196日間の動作が可能と見積もれます。
低消費電力デバイスを活用したセキュリティシステムの製作(H28)の画像1
図2 小型BLEデバイス写真
低消費電力デバイスを活用したセキュリティシステムの製作(H28)の画像2
図3 システム概要