大学校及び設置科 関東職業能力開発大学校 附属千葉職業能力開発短期大学校 生産技術科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 安全衛生、設計・製図、測定、機械加工、材料
課題に取り組む推奨段階 機械要素設計および機械加工実習修了後
課題によって養成する知識、技能・技術

課題を通して、主に機能を考慮した設計及び精密な加工技術の実践力を身に付ける

製作の目的と概要

 スターリングエンジンは1816年、スコットランドの牧師ロバート・スターリングが発明したものです。全国競技大会を目指して、スターリングエンジンカーの製作に取り組みました。スターリングエンジンの仕組みを理解するとともに、加工知識を深めることを目的としています。
 α型とβ型の2タイプに取り組み、最初に3次元CADでモデリングを行い、その後旋盤、フライス盤、ワイヤカット放電加工機、レーザ加工機などを用いて加工を行いました。α型はクーラ(冷却部)とヒータ(加熱部)をつなぐハニカムパイプを手作りのベンダーで曲げ加工を行いました。
 β型は昨年度製作したものを改良しました。バーナーに取り付ける火口は市販のものを分解し銅パイプをロウ付けして2方向にしました。フライホイールの材料をS45Cから心中に変更し、慣性を増しました。1000mm位ある長尺のシャフトの旋盤作業のブレ止めの装置の使い方や、自作ベンダーによるステンレスハニカムパイプの曲げ加工中の変形防止策など成果として挙げられます。

成果

 日本工業大学で行われるスターリングテクノラリー大会で、ノーマルクラスにエントリーした4台すべてが車検を無事に通過しました。一台は完走することができました。
 その製作過程において、2火口を持つツインバーナーを銀ロウ付け手法で制作したり、TIG溶接でステンレスやアルミニウムの溶接作業もある程度ノウハウをマスターしたりしました。
スターリングエンジンカーの製作(H18)の画像1
図1 α型スターリングエンジンカー
スターリングエンジンカーの製作(H18)の画像2
図2 クランク機構とβ型スターリングエンジンカー
スターリングエンジンカーの製作(H18)の画像3
図3 ハニカムパイプ断面と火口のロウ付け