大学校及び設置科 近畿職業能力開発大学校 附属京都職業能力開発短期大学校 電子情報技術科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 未入力
課題に取り組む推奨段階 専門課程
課題によって養成する知識、技能・技術

本装置の製作を通して、電子情報技術科で2年間学んできた知識、技能・技術を基礎から応用まで養成することを目標とし、以下の項目について達成することができました。 (1)担当学生の得意分野(プログラミング、電子工作)の知識をいかし、技能・技術力の向上を達成することができました。 (2)最後まであきらめずに努力して、製作物を完成させることができました。 (3)電子回路、電子機器製作実習、組み込みプログラミング基礎実習等について、より理解を深めた設計・製作を行い、各種工具、基板加工機を用いた電子回路基板作成、組み立て、制御、調整まで、ものづくりの一連の流れを経験させることで、学生自ら技能・技術力の向上を達成しました。 本課題は、電子回路技術を踏まえてLED電子回路基板とモータドライバ基板を作成しました。また、電子機器組み立て、機械製図をふまえて球体内部の本体部分の機構を設計し組み立て・調整を行いました。さらにプログラミング・制御技術を活用してマイコンのプログラミング、モータ制御、LED点灯制御、そして操作画面の作成にはWebプログラミング(HTML5、CSS、JavaScript®)を行っています。このように、本体機構作成、電子回路設計、マイコンプログラミングからWebプログラミングまで、幅広い技能・技術を網羅した課題となっています。 特に、Webプログラミングについては通常の授業では学んでいないが、現在成長しつつあるIoTには必要な技術です。この実習では、2年間で学んだ技術と、未来を見据えた技術を身につけることができました。

製作の目的と概要

近年のIoT(Internet of Things)の普及にともない,無線によって機器を制御し,データの収集を行う機器の開発が盛んに行われています。そこで電子情報技術科の総合制作実習の課題として無線で操作することができる球型ロボットの製作を行うことにしました。
 本課題では、大きく3つの目標をもって製作に取り組みました。
1点目:球型であるため、動きが不安定なので、球体内部(本体部分)の機構やプログラムによって安定した動きにする。
2点目:前後左右停止の動きだけでなく、速度変更やスピン、センサやカメラの活用など、多機能化する。
3点目:スマートフォンで操作できるようにし、見て楽しい、触って楽しい画面を作成する。

成果

○特徴
球体なので、見た目と動きに特徴があります。スマートフォンやノートPCから製作物を操作して動かすことができ、操作が簡単なので見学者に操作してもらい、楽しんでもらうことができます。本体側では音が鳴ったり、LEDが点灯したりするので、見た目にも楽しい製作物になっています。また、操作画面では、ボタンに画像を利用したり、アニメーションを利用したりして、触りたくなるような画面構成にしています。
将来のものづくりを担う若者に興味を持ってもらえるような成果物であり、長期間にわたって展示できる展示物としても活用することができます。
○成果
ポリテクビジョンin舞鶴2018までに完成することができました。ポリテクビジョンin舞鶴では、球型ロボットが特徴的な動きをするため、来場者の方に興味を持っていただき、好評を得ることができました。また、こうした方がよいのではないかというような意見も多くいただき、今後の展開にとても参考になりました。
また、ポリテクビジョンin舞鶴では、最優秀賞を受賞することができ、最後まであきらめずに自分が納得するまで頑張った学生の努力が報われました。
球型ロボットの製作(H29)の画像1
図1 球型ロボット
球型ロボットの製作(H29)の画像2
図2 操作画面
球型ロボットの製作(H29)の画像3
図3 カメラ画面