大学校及び設置科 中国職業能力開発大学校 附属島根職業能力開発短期大学校 電子情報技術科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 未入力
課題に取り組む推奨段階 専門課程
課題によって養成する知識、技能・技術

今後の社会の必要性に照らして、低コストで簡易的なIoT冷蔵庫の制作を試みることができました。本システムを改良して、写真の画像認識の自動化や、不足食品の抽出からNFC注文までの自動化ができれば、更に実用的なシステムとして過疎地域に住む高齢者の方々の支援に役立つものができるのではないかと思われます。 制作にあたり、各々が身に付けた技術を融合させ新しいものを作りたいという思いから、チーム一丸となって取り組んだ結果、システムを完成することによって、改めてチームの大切さと協力の素晴らしさを実感することができました。

製作の目的と概要

近年、地域の過疎化によってスーパーマッケット等の店舗が閉店となり、食料難民とも呼ばれる高齢者世帯が増えていくことが懸念されています。本課題は、過疎地域で高齢者のみが暮らす世帯が、①食料難民になってしまう事態を防ぐこと、② 高齢者の食生活を、家族や介護福祉士らが冷蔵庫の遠隔監視を通しても見守ることの2点を目的として制作しました。
課題制作を通して、磁気センサーやNFC通信技術の基本的理解、Wi-Fi®やインターネットの利用技術、画像データを扱うデータベース構築技術、Webコンテンツとデータベース連携技術、マイコン制御技術などを中心とした応用的なシステム開発技術を習得します。

成果

本システムは、家庭に備わっている冷蔵庫の上部にARM®マイコン(Raspberry Pi®)を本体とした装置を設置し、Webカメラと開閉センサーを接続します。これらを冷蔵庫内の所定の場所に装着し、マイコンに組み込んだLinux®(Rasbian)上で動作する各種スクリプト言語で制御します。取得データは、Webサーバやデータベースサーバを通してインターネット接続を行い、スマートフォンやPCからWebで確認出来ます。また、ネットスーパーへの自動注文機能を実装し、冷蔵庫の扉の表面に貼り付けた発注用ボタンにNFCタグを埋め込み、スマートフォンと短距離無線通信を行って実現します。非常に作業量が多いため3人が上手く役割分担し作業時間の短縮を図ります。このため、しっかりとスケジュールを立て進捗管理をしていく必要があります。また、完成後は各種評価試験を行い、報告書を作成します。
冷蔵庫の中をWebカメラで監視し、その様子を冷蔵庫の扉の開閉に合わせて自動的にインターネットのTwitter®に投稿出来るシステムを開発しました。また、食品情報は制作したWebアプリケーションで管理でき、消費頻度が高い主要な食料品に関しては冷蔵庫の表面に予め貼ってある食料品ごとのNFCタグに、スマートフォンをかざすだけで指定のネットスーパーに発注できるようになりました。
高齢者向け冷蔵庫管理システムの制作(H29)の画像1
図1 システム概要
高齢者向け冷蔵庫管理システムの制作(H29)の画像2
図2 冷蔵庫への設置
高齢者向け冷蔵庫管理システムの制作(H29)の画像3
図3 Webアプリケーション