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木造耐力壁の水平加力実験(H29)

大学校及び設置科	沖縄職業能力開発大学校　住居環境科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術	未入力
課題に取り組む推奨段階	専門課程
課題によって養成する知識、技能・技術	① 水平加力装置の設計・組み立てを通して、図面の設計、製作、組立等の実践的な技術。 ② 水平耐力試験の試験体及び実験から木造耐力壁の加工・組立等の技能・技術と実験法及び測定技術 ③ 実験結果から耐力壁の評価法や復元予定（移築）する古民家の構造耐力の計算法

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製作の目的と概要

大震災を教訓とした木造建築の耐震性の加力実験は他大学校では行われています。しかし、沖縄県は建築環境の地域性から、木造関連の実験は材料試験を行う施設・設備しかありません。当校が総合制作実習で水平加力装置のフレームから設計・作製したことは基本的な「ものづくり」の重要な要素です。また、実寸大の木造耐力壁試験が可能な装置と現有する資材や測定機器を活用しコストを考えて製作しています。その為に模型で試作検討し、耐力壁試験体と加力装置等やフレーム枠組み（接合部）に工夫がされています。軸組耐力壁の製作では、沖縄の古民家の調査研究の文献を調べ正確に復元しています。さらに、沖縄に伝承されている貫と柱の収まりや組み方を、CGで作製して検討も行っています。実験の評価法では表計算ソフトに関数式を入力し、計算結果の表示とグラフィック機能を活用して視覚的な工夫もされています。今回の総合制作実習では「知識・技能・技術」でものつくりの原点のプロセスを学生自ら楽しんで取り組んだ課題です。

成果

沖縄県の建物は、大半がRC造である。近年では木造住宅も年々増加しています。しかし、台風はもちろん、熊本地震の災害で木造建物の危険性も取り上げられるようになり、木造住宅の耐震性が見直しされていることから、沖縄の伝統的な古民家の構法と一般的な在来軸組工法に焦点を当て調査を進めてきました。
本課題の実験では、耐力壁のせん断強度試験を行うため、水平加力装置の設計を行いました。その際、試験装置の詳細を検討するため、1/10スケールで模型製作を行い、水平加力装置の動きをVectorworks®でCG製作し、耐力壁が破壊される様子を、シミュレーションしました。
次に沖縄の貫木屋および、建築基準法施行令仕様規定を満たす耐力壁をそれぞれ製作しました。その供試験体（６体）の加力実験を行いました。実験値の結果のデータから表計算ソフトで作成したデータの解析と応力-変位図や構造設計に必要な壁倍率の計算結果の比較検討を行い、木造在来工法と伝統工法の耐力性能及び諸性状を検証しました。

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