大学校及び設置科 近畿職業能力開発大学校 附属京都職業能力開発短期大学校 生産技術科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 安全衛生、機械加工、測定、材料、熱処理、力学、設計・製図
課題に取り組む推奨段階 機械設計製図・機械加工実習・測定実習終了後
課題によって養成する知識、技能・技術

課題を通して、主に設計製図及び機械加工技術、測定技術の実践力を身につける。

製作の目的と概要

 本課題では、コンパクトで着脱容易な精度の高いバイスの設計・製作をテーマとしました。製作の過程で以下の点に留意して習熟度を計かりました。
*設計段階で強度計算をすること。
*JIS規格の基づいた図面を描くこと。
*加工条件に基づいて部品を加工すること。
*熱処理は油冷後焼き戻しを行なうこと。
*組立てられたバイスの精度を検査すること。

成果

 本学生は、総合制作実習の課題選定にあたり技術・技能を高め、これからの仕事に役立てるためにバイス製作を選び、バイスメーカーである津田駒工業株式会社様の精度規格公差内に入ることを目標としました。企画段階で、バイス製作のため参考資料収集やカタログによる材料・部品や刃物の選び方など貴重な体験をしたことと思われます。製作過程では、製作の流れ(図1)に従い製作し、加工した部品の精度が公差内に入らなかった場合、設計・製図や製作段階に戻り何度も挑戦し、目的の精度に近付けたことは評価できます。
 今回製作されたバイス(写真1)は、はめ合い部分にガタがなく、滑らかにしゅうどうし、仕上がり状態がよかったです。
 精度検査により公差外がありましたが、ミクロン単位の誤差に収まったことは評価できます。(精度検査については、本文課題制作・開発の訓練ポイントおよび所見参考)
 また、口金部分を硬さHRC45になるように熱処理を施す作業では、硬度検査を行いながら、加熱温度・加熱時間・焼き戻し温度・冷却方法など工夫を重ねて製作し、より製品としての価値が高められました。
精密バイスの設計及び製作(H19)の画像1
写真1 精密バイス
精密バイスの設計及び製作(H19)の画像2
図1 製作の流れ