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課題の要約
超々ジュラルミンの溶接(H19)
大学校及び設置科
東海職業能力開発大学校 附属浜松職業能力開発短期大学校 生産技術科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術
安全衛生、機械加工、測定、材料、力学、設計・製図、機械工作法、NC機械工作法
課題に取り組む推奨段階
ガス溶接作業及び機械加工実習終了後
課題によって養成する知識、技能・技術
課題を通して、生産加工技術の実践力を身に付ける。
課題情報シートをダウンロードする
製作の目的と概要
本課題では、溶接に高い技能を要求されるアルミニウム合金のTIG溶接に取組み、就業先である関連企業において即戦力となり得るための高度な技能と基本的な知識の習得を目的としています。アルミニウムには以下の性質があり、溶接作業においては、鋼材に比べ様々な対策が必要となります。
?材料自体が酸化しやすく、強固な酸化膜が発生する。
?溶融温度が赤熱温度以下で、溶け込みが確認し難い。
?溶融状態のアルミニウムは、水素を吸収しやすく、ブローホールが発生しやすい。
?伝導性が良いため局部加熱が難しい。
?熱膨張係数が高いため、ひずみが生じやすい。
中でも、アルミニウム合金としてもっとも高い引張強さをもちながら、溶接困難な7000系合金の溶接に取り組み、スターティングブロックの製作を行いました。
成果
実製品から部品図面をCAD図面にする中で、材料発注や改善設計・改修設計の方法を学び、部品製作では旋盤、フライス盤、マシニングセンタ、ワイヤー放電加工機など、施設内のほとんどの汎用機、NC加工機を操作し、やすりによる手仕上げからNCプラグラミング・加工に至るまで実務と遜色ない水準で取り扱えるまでになりました。製作が終わり、実際に形となって目の前にある製品を見ていると、今まで学んできた加工技術を総合的に用いることができたこと、また、初めて扱う機械や加工を行うことで視野が広がり、大きく成長できたと思います。
7000番のアルミニウム合金は、溶接割れが起きやすい合金ですが、予想以上に溶接性がよく、「溶接構造材」として充分な性質であることを実感できます(図2)。製品として完成させるためには、様々な溶接ジグの製作が必要となり、工夫と凝らしたジグを製作する過程で多くの機械要素について、使い方や特徴を体感することができました。
製作したスターティングブロックは、実際に高校の陸上部で実用性能と耐久性を確認しました。
図1 スターティングブロックの外観
図2 TIG溶接作業
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