大学校及び設置科 九州職業能力開発大学校 附属川内職業能力開発短期大学校 生産技術科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 安全衛生、機械加工、測定、材料、力学、設計・製図
課題に取り組む推奨段階 機械設計製図及び機械加工実習終了後
課題によって養成する知識、技能・技術

課題を通して、主にメカニズム設計及び機械加工技術の実践力を身に付けます。

製作の目的と概要

 近年、地球温暖化をはじめとする環境問題や、石油価格の高騰などのニュースに対し、我々の関心は高くなっています。これら問題に対する1つの回答として、電気自動車の開発、普及があります。
 一般的に電気自動車(EV:Electric Vehicle)の開発では、電池やモータなどの開発が主役ですが、本課題では製品としての電気自動車を、設計および製作することを第一の目的としています。
 本総合制作実習課題のテーマは、平成14年度から継続しており、今回の完成で4台目となりました。本4号車では、以下の点を目標としました。
・「走る」、「曲がる」、「止まる」の基本性能を確保すること。
・5°の傾斜を走行できること。
・最高速度は20km/h以上

成果

 今回製作した電気自動車を図1、諸元を表1に示します。
 使用したモータの数は、以前製作した2号車では後輪に1つずつ、3号車では全ての車輪に配置しました。旋回時に発生する内輪差は、モータの回転数を個別に制御することで吸収する仕様でしたが、調整が難しかったため4号車では使用モータは1個とし、デファレンシャルギヤ内蔵のギヤボックスを製作しました。この改良によりスムーズに旋回できるようになりました。
 また、3号車までの車体は市販のアルミフレームをボルトにより組み合わせたものでしたが、強度不足を感じていました。4号車ではアルミ板をレーザー加工機で切り出し、プレスブレーキによる曲げ加工を行いリベット締結したモノコック構造としました。その結果、重量を増やすことなく、車体の強度を確保しました。
電気自動車の設計・製作(H19)の画像1
図1 電気自動車の外観
電気自動車の設計・製作(H19)の画像2
表1 電気自動車の諸元