大学校及び設置科 九州職業能力開発大学校 生産システム技術系共同開発
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 共通(安全衛生管理、生産管理、品質管理)、機械系(CAD/CAM、機械設計、精密加工、計測制御、自動化機器)、電気・電子系(アナログ回路、デジタル回路、センサ応用、電力変換)、情報系(ネットワークシステム、画像計測、データベース)
課題に取り組む推奨段階 課題の前提となる科目の学科及び実技の終了後
課題によって養成する知識、技能・技術

課題を通して創造力、企画・開発力、技術連携力を養い、各専門分野の能力の向上を図る。同時に安全衛生や工程管理・品質管理を通して“ものづくり”の実践力を身につける。

製作の目的と概要

本課題では、「人間と共生できる」生活補助ロボットの開発を目的として、人型のロボットに物体認識や音声認識を組み込んだヒューマノイドロボットの開発を行うことをテーマとしました。
本ロボットは平成17年から開発・製作を行い、機構部の設計変更を重ね、画像や音声の認識率向上に取り組みました。本2号機では以下の点を目標としました。
? 歩行、屈伸や首振り等の人が行う多数の動作ができる
? 人と50語程度の会話ができる
? トランプや果物の認識を行い、音声で回答できる
? 人の声で、各種動作を行う
? 移動物体の検出を行う

成果

今回開発したロボットを図1に示します。開発したヒューマノイドロボットは、高さ800mmで質量が14kgです。関節部は全部で18種類の自由度があり、駆動はDCモータで行っています。基本仕様を表1に示します。
ロボットの動作は、お辞儀、バランス、歩行が可能となりました。音声認識は、音声認識ボードを利用して約80単語の認識が可能で、簡単な会話や質問の受け答えができます。画像認識は、ロボットのカメラからパソコンに画像データを転送し、データ解析を行います。トランプの数字とマーク、10種類の果物を認識することができました。認識率は90%程度です。また、移動物体の認識も可能となりました。
制御系は、ハードウエアにPLC・マイコン・ドライバ駆動回路を使用しています。今回、モータドライバ本体に動作スイッチをアドオンすることにより、デバック性の向上を図りました。
ヒューマノイドロボットの開発(H18)の画像1
図1 ロボットの外観
ヒューマノイドロボットの開発(H18)の画像2
表1 基本仕様