大学校及び設置科 東北職業能力開発大学校 生産システム技術系共同開発
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 安全衛生のほか、機械系(機械設計、機械加工、自動化技術)、電気・電子系(コンピュータシステム技術、センサ応用回路技術、アクチュエータ技術、電子回路技術)、情報系(ネットワークシステム構築実習、画像計測システム構築実習、インタフェース設計製作実習)
課題に取り組む推奨段階 機械系(NC工作機械による加工、3次元CADによる機械設計などを習得した段階)、電気・電子系(電子回路技術、メカトロニクス技術、プログラミングディバイス技術などを習得した段階)、情報系(無線LAN構築技術・制御プログラミング手法などを習得した段階)
課題によって養成する知識、技能・技術

機械系(機械設計、製作及び組立・調整等の総合的な実践力)、電気・電子系(電子設計、基板製作及び組立・調整等の総合的な実践力)、情報系(制御アルゴリズム、制御プログラミング及び無線LAN構築等の総合的な実践力)

製作の目的と概要

 災害対策用ロボットすなわちレスキューロボットは、人間が入っていくことができない場所や二次災害の危険性がある場所で被災者を探索したり、救助したりする目的のロボットです。今回の開発では前年度に開発した1号機を小型化した2号機を開発しました。このロボットは5つの車体を連結した縦長タイプで、無線LANで遠隔操縦される方式は1号機と同じですが、姿勢制御の機構を内装しており、より狭い空間への探索が可能となりました。

成果

 製作したレスキューロボットの本体を図1に示します。
 本体は5車両から構成されています。1車両目はカメラ部と探索用赤外線センサを積載しています。2車両目はユニバーサルジョイントとすべりねじ機構から構成される姿勢制御機構と姿勢制御用モータを内蔵しています。3車両目はコントローラであるH8マイコンと駆動用モータおよび無線LAN装置を内蔵しています。4車両目は2車両目と、5車両目は1車両目と同じ構造になっています。
 表1に本ロボットの仕様を示します。1号機と比較してロボット前面の面積は66パーセントと小さくなっています。また、探索機能は同等でありながら質量を5kg減量しました。
 図2に探索用レスキューロボット2号機の不整地走行試験の様子を示します。試験では図2のように草むらから砂利道までを試験走行させました。移動速度は8m/minと1号機より遅いものの、故障なく走行および探索活動が可能でした。今後階段走行が可能となるように改良を続けたいと考えています。
狭い空間への探索を可能とするレスキューロボットの開発(H19)の画像1
図1 ロボット本体
狭い空間への探索を可能とするレスキューロボットの開発(H19)の画像2
表1 仕 様
狭い空間への探索を可能とするレスキューロボットの開発(H19)の画像3
図2 不整地走行試験