大学校及び設置科 四国職業能力開発大学校 電子技術科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 電気回路、電子回路、安全衛生
課題に取り組む推奨段階 電気回路、電子回路に関する座学、実験実習履修後
課題によって養成する知識、技能・技術

増幅回路を設計、製作することにより、回路設計、パターン設計、基板作成、実装など広い範囲の技能、技術の習得が可能となります。また、使用する人の立場を考えたシステム作りを行うことにより、企画力、提案力を養成することができます。

製作の目的と概要

 近年、家庭用のテレビの大画面化、ビデオからDVDプレイヤーへの買い替えとともに、ホームシアターシステムが急速に普及してきています。ホームシアターはテレビの周りにマルチチャンネルスピーカを設置することで、まるで映画館にいるかのような迫力ある音響環境を構築することができます。一方で、最近のノートパソコンにはDVDドライブが標準装備されており、ノートパソコンの機動性を活かし、リビングや自室など、いろいろな場所で映画の視聴が可能となっています。しかし、ノートパソコンに搭載されている小型のスピーカではDVDに記録されている高品質な音声を十分に再生することができません。そこで本製作ではノートパソコンといっしょに持ち運びが可能となるような小型のホームシアターシステムを提案することにしました。
 5.1chの音声信号はノートパソコンからの左右2chの音声出力から得なければなりません。本製作では2chの音声を5.1chにシミュレートする方法として新日本無線のNJW1186 5.1chサラウンドプロセッサを使用しました。このデバイスは音声出力信号からセンター成分、サブウーファー成分を抽出し、サラウンド成分は原音を元にシミュレートします。このサラウンドプロセッサを用いることにより、ノートパソコンからの2chの音声出力を5.1ch化して再生できるようになりました。

成果

 図1に製作したモバイルシアターとノートパソコンでDVDを視聴している様子を示します。このようにノートパソコンと視聴者を中心にマルチチャンネルスピーカを設置することにより、ノートパソコンでも迫力のあるDVD視聴が可能となりました。このモバイルシアターは図2のようにアタッシュケースに収めることができ、ノートパソコンと共に持ち運びができるようになっています。
モバイルシアターの製作(H19)の画像1
図1 リスニングポジション
モバイルシアターの製作(H19)の画像2
図2 アタッシュケース収納時の様子