大学校及び設置科 北海道職業能力開発大学校 生産システム技術系共同開発
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 安全衛生のほか、生産機械システム技術科(機械設計、機械加工、材料技術)、生産電子システム技術科(マイコン技術、電子回路技術(トランジスタ回路、オペアンプ回路))、生産情報システム技術科(プログラミング(C言語、Visual Basic など)、画像処理全)
課題に取り組む推奨段階 生産機械システム技術科(機械設計・機械加工を習得した段階)、生産電子システム技術科(マイコン技術・電子回路技術を習得した段階)、生産情報システム技術科(プログラミング(C言語、Visual Basic 言語など)技術を習得した段階)
課題によって養成する知識、技能・技術

生産機械システム技術科(主に機械材料、機械設計技術、機械加工技術の実践力)、生産電子システム技術科(主にマイコン技術、電子回路技術、半導体プロセス技術の実践力)、生産情報システム技術科(主にプログラミング技術の実践力)

製作の目的と概要

 半導体薄膜や基板の基礎データとして、伝導型・キャリア密度・キャリア移動度を測定するための装置がホール効果測定装置です。
 ところで、van der Pauw 法を利用した研究室レベルでの手動測定の場合には、試料上に形成した試料電極に手作業で電気配線する必要があります。しかし、手作業での配線は手間がかかり非常に効率が悪くなってしまいます。
 そこで、手作業で配線をする必要がなく、「試料を載せるだけで自動測定できる」ホール測定装置を開発することを目的としました。

成果

[目標仕様]
 目標仕様は、
 ?手配線を必要とせず、ホール効果測定を自動で行う
 ?正方形とは限らず、多少形状が”いびつ”な試料形状に対応できる測定プローブとする
 ?試料を搬送するテーブルの位置検出をクリーンルームで自作したPNフォトダイオードで行う
 ?試料上の電極間隔を画像処理により確認し、試料が測定可能か否かを判断する
の4点としました。

[装置の特徴と測定結果例]
 常に正方形とは限らないホール効果試料の形状に対応するため、測定プローブを針状ではなく、板状のプローブとしました。この板状の4つの測定プローブを試料電極に接触させてホール効果測定を行います。
 本装置を使用して測定した結果と、市販の測定機器(電圧計、定電流電源等)を使用して行った手動測定の結果の両者を比較してみました。試料は、大きさ5mm角・厚さ1μmのN形ガリウムひ素半導体皮膜です。結果は右の表のようになり、両者の結果に大きな差がありませんでした。これにより、実用性のある装置を開発することができたと考えています。
半導体薄膜用ホール効果自動測定装置の開発(H19)の画像1
図 開発した装置の外観
半導体薄膜用ホール効果自動測定装置の開発(H19)の画像2
表 測定結果の例