大学校及び設置科 職業能力開発総合大学校 小平キャンパス 制御技術科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 機械制御、メカニズム、電子回路、センサ技術、プログラム(C言語、Visual Basic)、ネットワーク制御
課題に取り組む推奨段階 機械系・電子系専門課程2年次修了後
課題によって養成する知識、技能・技術

遠隔制御システムの構築、機器の選定、回路設計、プログラム開発の実践力を身につける

製作の目的と概要

 近年、生産現場においてもオフィスなどで利用されている情報ネットワークと産業ロボットなどの機器制御に用いられるFAネットワークとをEthernet等で接続して、互いの情報を共有することで遠隔地からの情報収集や制御を可能にすることで省力化や品質管理の向上を図っています。
 本制作実習では、この点に着目しEthernetを活用した電気機器の制御システムを構築する技能を習得することを目的としました。生産現場のモデルで構築することはコスト的に不可能なことと学生にとってイメージが難しいことから、図1に示した四輪駆動式の車体としました。

成果

 システム構成は図2のように簡素化するためにPCからの制御信号により駆動することとし、本体にはMPUを搭載しないシステムとしました。複数のPCから遠隔制御を可能とするためにTCP/IPを用いた無線LAN通信を採用し、ネットワークカメラによって前方の状況を把握し、その都度命令を与えて車体を制御します。
 I/Oのインターフェイスはネットワーク組み込み用ICを応用することで、センサなどの入力とモータなどの出力管理を可能にしました。完成した装置の遠隔制御の稼動範囲について検証を行ったところ、リチウムイオン電池(2700mAH)をほぼ充分に充電したもので、室内温度約26℃、室外温度約14℃のときに制御が可能な距離は学内で80m以内、障害物がない状態で180mでした。また、稼働時間は2時間程度であるので人が立ち入ることが不可能な場所を稼動可能なロボットとしても応用できることがわかりました。
遠隔制御システムを利用した四輪駆動車の開発(H19)の画像1
図1 開発した装置
遠隔制御システムを利用した四輪駆動車の開発(H19)の画像2
図2 システムの構成図