大学校及び設置科 職業能力開発総合大学校 小平キャンパス 生産システム技術系共同開発
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 生産機械システム技術科(安全衛生、機械加工、測定、分析、材料、力学、ヒューマンスキル)、生産情報システム技術科(システム設計、プログラミング、ヒューマンスキル)
課題に取り組む推奨段階 応用課程2年次
課題によって養成する知識、技能・技術

加工、分析、設計、プログラミング等の実践力と共に、製品を創造・企画し協働して達成するヒューマンスキルを身に付ける。

製作の目的と概要

 機械加工技術者にとって材料を削る旋盤作業は機械加工の基本であり、旋盤は『母なる機械』ともいわれています。しかしながらその機械加工技術を習得する際には、熟練した技術者であっても不注意等により怪我をする場合があり、常に危険と隣り合わせの作業を行っているのが現状です。
 本課題では、安全かつ容易に旋盤作業を習得できる環境を作るべく、汎用旋盤の『加工セーフティシミュレータ』の開発に取り組みました。さらに、実際の旋盤作業をゲーム感覚で体験し旋盤特性の理解を深めることを目的に『旋盤切削トレーニング』と『旋盤に関するチュートリアル』を制作することになりました 
 これにより、旋盤作業の経験のない者には作業の具体的なイメージを与え、経験者には安全な作業を行うための指針を提示することが可能となります。

成果

 制作の手順を述べます。まず、汎用旋盤を用いて金属丸材の切削抵抗を測定しました。この際、チャッキングトルクやつかみ代等切削条件を変えた状態でのデータを採取するとともに、危険要素であるワークのびびり、飛来等を観察し記録をとりました。次に、記録したデータを分析・整理して基礎データを作成し、このデータをわかりやすく表現するためのシミュレータ及びトレーニングプログラムを作成しました。同時に旋盤に関わる用語の解説や各ユニットの説明、様々な切削方法の説明等を体系化したチュートリアル(デジタル解説書)を作成しました。以下に分析結果と制作ソフトの一部を掲載します。
生産に関する加工セーフティシミュレータの開発(H19)の画像1
図1 主分力-チャッキングトルク線図
生産に関する加工セーフティシミュレータの開発(H19)の画像2
図2 旋盤トレーニング実行画面(シミュレータ)
生産に関する加工セーフティシミュレータの開発(H19)の画像3
図3 旋盤チュートリアル実行画面