大学校及び設置科 職業能力開発総合大学校 小平キャンパス 生産システム技術系共同開発
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 生産機械システム技術科(安全規格、自動化、CAE、機械加工、測定、制御、材料、力学)、生産情報システム技術科(システム設計、プログラミング、ヒューマンスキル、画像解析)
課題に取り組む推奨段階 応用課程2年次
課題によって養成する知識、技能・技術

安全規格に基づいて自動化機器を設計製作する能力、及び、製品を企画し協働して達成するヒューマンスキルを身に付けます。

製作の目的と概要

 安全に関する規格については、1990年にISO/IECガイド51が作成され、1995年には欧州への機械輸入が規制されたように欧州における機械安全対策が確立されています。これらは危険源のリスク評価による「ものづくり」の規定を定めたものです。この流れを受けて、わが国においても「機械の包括的な安全基準に関する指針」が発令されましたが、いまだ浸透していません。
 本開発課題では、このような背景を重視して国際安全規格に準じた自動化機器の「教育用デモ装置」の開発に取り組むこととしました。
 なお、本開発課題では危険体として一般的に実際に生産ラインで使われるような圧入機を製作し、圧入機内へ手を入れることを危険事象としてとらえました。圧入機はプレートにすでに空けられている穴に「はとめ」と呼ばれる穴補強用の金具を止めるための「かしめ」作業を行うものです。自動機としての信頼性、完成度を高めるべく、強度解析・設計を十分に行い、荷重の管理、画像検査等の機能も付加してあります。

成果

 「21世紀は環境と安全」といわれており、今後ますますグローバルスタンダードが確立され、それに基づく「ものづくり」が必要となります。このような状況下で国際規格に準じてリスクアセスメントを修得できる教材となる自動化機器を設計・製作する事ができました。
 本装置は半自動供給部分、最大700Kgfの圧入(カシメ)機構部分、画像処理による検査部分からなり、実際の製品製造も可能です。安全設計については、エアーカーテン、製品の強度などのハードの部分とプログラムのソフトの部分に本質安全設計がなされており、本質安全設計と自動機の設計を学ぶことができます。
国際安全規格に準じた自動化機器の制作〜かしめ装置を用いた教育用デモ機の設計・製作〜(H19)の画像1