大学校及び設置科 四国職業能力開発大学校 生産システム技術系共同開発
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 安全衛生、PLC、電子回路、マイコン、通信、プログラミング
課題に取り組む推奨段階 上記科目の学科、実習の終了後
課題によって養成する知識、技能・技術

課題を通してPLC の内部構造の実現、パソコン-PLC 間通信、PLC 間通信、GUI プログラミング等の実践力を身に付けることができます。

製作の目的と概要

 本課題では、基本機能を搭載した産業用コントローラの開発、製作することをテーマとしました。生産電子システム技術科(以下、生産電子という)の学生は、専攻学科や実技の時間で産業用コントローラ(以下、PLCという)について学んでいます。専攻学科では、PLCの特徴や内部構造を学んでいます。専攻実技では、PLCで正しく動作する制御プログラム作成を習得しています。PLCの限界や特徴を深く理解するには、制御用の便利な道具としてブラックボックス化されたPLC自身の製作が一番であると思われます。今回、生産情報システム技術科(以下、生産情報という)の学生3名、生産電子4名の計7名で、PLC本体と開発ツール(ラダープログラム作成やモニタリング等)を設計・製作しました。その結果、市販PLCと同程度の基本命令を実現することができました。さらに不便な点を改善し使いやすくし、市販PLCには存在しない独自仕様の特徴を持たせることが出来ました。
 以下に本テーマの開発目標を示します。
・制御対象にあわせて、入力接点、出力接点を自由にレイアウトできること。
・基本機能のみを持ち、高速に処理できること。
・制御プログラムを作成しやすい開発ツールを有すること。
・複数台のPLCを接続し、制御の連携ができるようにネットワーク機能を有すること。
・その他、PLCとしての必要な条件(小型、軽量、安定性、安全性、高速性 等)を実装すること。

成果

 今回開発したPLCを図1、開発ツール画面を図2に示します。
 主にPLC本体の開発については生産電子の学生、PLC支援プログラムの開発には生産情報の学生が担当しました。また、両方を接続するための通信プロトコル部分は双方の科が協力して完成させる事ができました。
 PLC関連の学科や実技で習得したPLC内部の内容が開発テーマだったので、深く印象として残り、今までの授業や実習の内容理解が深まった事を期待します。
産業用制御シーケンスコントローラの開発(H19)の画像1
図1 PLCの外観
産業用制御シーケンスコントローラの開発(H19)の画像2
図2 開発ツール画面