大学校及び設置科 近畿職業能力開発大学校 附属京都職業能力開発短期大学校 情報技術科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 ソフトウェア制作実習、データ構造・アルゴリズム、図形処理工学
課題に取り組む推奨段階 図形処理工学及び図形処理実習終了後
課題によって養成する知識、技能・技術

課題を通して、ソフトウェア開発能力の向上及びものづくりの一連の流れを理解する。

製作の目的と概要

 立体地形模型は、小中学校での学校教材や博物館、観光案内所、ハザードマップ等様々な場所で利用されています。この立体地形模型は、以前は手作業による製作のため、地形の形状が不正確といった問題がありました。近年は、数値標高モデル(DEM:Digital Elevation Model)データを利用して、コンピュータで正確に製作できるようになってきました。
 本制作は、生産技術科の協力を得て「立体地形模型」を製作しました。情報技術科では国土地理院刊行の数値標高モデルデータを読み込み日本全国の任意の地点を段彩表示可能なプログラムや、指定した範囲をCADデータへ変換するプログラム等を開発しました。そのCADデータを使ってCAMで加工データを作成し、マシニングセンタで3次元モデルを切削加工するまでを生産技術科に依頼しました。

成果

 今回製作した立体地形模型を図1、段彩表示プログラムの実行例を図2、CADソフトでの作業例を図3に示します。
 加工用素材はサイコウッド(合成樹脂)を使用しました。寸法は、今回使用したマシニングセンタ(株式会社岩間工業所MM400F)で加工可能な最大サイズ80×250×250(単位mm)としました。
 この加工用素材に合わせ地図データを縮小すると地形の高低差が非常に小さくなります。そこで、標高を表すZ軸はXY軸方向の数倍に強調しました。図1の立体地形模型では、富士山周辺は2倍、北海道周辺は25倍に強調しています。
【元データ出典】
国土地理院 数値地図50mメッシュ(標高)
数値標高モデルデータの3次元モデリング(H19)の画像1
図1 立体地形模型の外観
数値標高モデルデータの3次元モデリング(H19)の画像2
図2 段彩表示プログラムの実行例
数値標高モデルデータの3次元モデリング(H19)の画像3
図3 CADソフトでの作業例