大学校及び設置科 近畿職業能力開発大学校 生産システム技術系共同開発
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 機械技術(生産管理、センシング応用実習)、電気・電子技術、情報技術(生産データベースシステム構築実習、ネットワークシステム構築実習、インタフェース設計製作実習)
課題に取り組む推奨段階 機械技術(情報機器実習、生産技術応用実習などの基礎を習得した段階)、電気・電子技術、情報技術(生産管理、生産データベース分析設計、ネットワークプログラム技術などを習得した段階)
課題によって養成する知識、技能・技術

機械技術(生産管理システムの開発各段階での生産に関る工程計画、製造指示、検収など総合的な実践力を習得する)、電気・電子技術、情報技術(ネットワークサーバ、データベースサーバ及びC/Sシステムからなる統合サーバシステムの構築技術を習得する)

製作の目的と概要

 本課題の依頼元で、協力をいただいている油剤製造企業では、従来から製品受注、材料発注、製造指示、製品出荷などを個別のシステムで運用がなされていました。これらを一貫した生産管理システムとして構築することを目指すことになり、プロトタイプシステムを開発することにしました。
 構築したシステムには、クライアント/サーバ型とし本社工場ならびに支店間でのデータ授受と営業担当者のモバイル機器(携帯電話、PDA)による社外からのデータ参照が可能なものが要求されました。また、製品の製造過程から出荷までのトレーサビリティを考慮してRFIDによるトレースを可能とし、顧客満足度にも配慮したシステムとしています。

成果

 開発した油剤製造業生産管理システムは、目的機能別に? 生産管理システム、? 在庫参照システム、? 本店支店間データ授受システムからなります。生産管理システムは、受注、生産計画、MRP、発注、受入、作業指示・製造、出荷処理より構成され、原料発注から出荷までの情報を管理しています。また、営業担当者は携帯電話により社外からの生産管理システムの在庫状況をリアルタイムに参照できます。本店支店間クライアント/サーバシステムは、VPN接続を行いデータ授受のセキュリティを高めています。
 開発したシステムは、依頼元企業での検証を実施し、当初の目的であるフィージビリティ・スタディとしてその完了を確認していただきました。VPN接続については、実験室レベルでの動作確認を行いました。
 システム開発使用言語は、Visual Basic2005®、DBMSにはSQL Server 2005、開発環境にはWindows XP Server2003®を使用しました。在庫参照システムによる表示は、ASP.NET®によるWebアプリケーションを用いています。
油剤製造業生産管理システムの開発(H19)の画像1
図1 油剤製造業生産管理システム