大学校及び設置科 近畿職業能力開発大学校 生産システム技術系共同開発
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 機械技術(機械設計、金型設計、工作機械、機械加工、サーボ技術、自動化機器)、電気・電子技術、情報技術(データベースシステム構築、インターフェース設計、プログラミング技術、品質工学)
課題に取り組む推奨段階 機械技術(機械設計、自動化技術、シーケンス制御及び各種機械加工技術を習得した段階)、電気・電子技術、情報技術(データベースシステム構築、プログラミング技術などを習得した段階)
課題によって養成する知識、技能・技術

機械技術(機械設計、金型設計、自動化設計、機械加工、金型製作)、電気・電子技術、情報技術(データベースプログラム、品質工学)

製作の目的と概要

 本課題では、サーボ機構を搭載し加工速度とストローク、加工モーションの設定が可能なサーボプレスを開発、製作し、タグチメソッドを活用してプレス加工の最適条件を求めることをテーマとしました。
 一般にサーボプレスの特性を生かす条件出しには膨大な数の実験が必要となりますが、本課題では以下の方法で実験回数を低減化することを目指しました。
 ・タグチメソッドを容易に活用できるシステムを開発すること
 ・評価用にスケールを加工できるプレス金型を設計・製作すること
 ・開発したタグチメソッドシステムを活用してプレス加工の実験を行い、最適条件を求めること

成果

 本課題で製作したサーボプレス機を図1に、機械本体と制御部の仕様を表1に、開発したタグチメソッドの要因効果図を図2に、評価用順送金型のレイアウトを図3に示します。
 サーボプレス機は、当初の仕様を満足するものが完成できました。またタグチメソッドシステムについても当初の目標とした入力・出力の仕様を満足し、さらにデータベースへの連動もできました。プレス金型についても、設計通りのものが完成できました。
 これらを用いてプレス加工の条件を選定し、L9(実験計画法3水準4因子)の実験を行い、出力した要因効果図より最適値を推定し、最適条件でプレス加工を実施しました。
 今後の課題として、システムではL9以外の作動確認、出力帳票の改善、DB無しでも使える簡易版の開発があり、サーボプレスでは更なるモーションの追加、カバーの改善等があります。
最適加工シミュレーション付きサーボプレス(H19)の画像1
図1 サーボプレス機
最適加工シミュレーション付きサーボプレス(H19)の画像2
表1 機械本体と制御部の仕様
最適加工シミュレーション付きサーボプレス(H19)の画像3