大学校及び設置科 東北職業能力開発大学校 附属秋田職業能力開発短期大学校 住居環境科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 建築施工実習?、建築史、建築構法、コンピューター基礎実習
課題に取り組む推奨段階 建築施工実習?、建築史、建築構法、コンピューター基礎実習 終了後
課題によって養成する知識、技能・技術

課題を通して、古建築の細部の意匠・構造を理解します。また、製作においては木工用手工具、電動工具、木工用機械を使用することでそれらの取扱いについて習得します。

製作の目的と概要

一昨年の総合制作実習で製作した子供神輿を見た町内会から是非、子供神輿を製作して欲しいとの正式な依頼があり、再び製作することにしました。
製作では、前回の製作での反省点を活用すること、通常の四角形ではなく六角形神輿とし、前回よりも難易度が高くなるようにしました。
製作のモデルとしたのは大館神明社の六角形神輿です(写真1)。六角形や八角形の神輿は北陸地方に多く見られ、京都の八坂神社にも六角形神輿(スサノヲノミコト)、八角形神輿(ヤハシラノミコガミ)があります。

成果

前回の製作方法に倣って、まず神輿模型の製作を行なうことで部材の名称と構造を把握しました。
そして、モデルとする神輿の原寸調査をおこない、CADで部材ごとの原寸図を作成しました。特に屋根部はモデルの神輿では破損や劣化が見られたため、意匠的な面も含め、自ら設計をしてみました。
各原寸図を作成した人がその部材の加工にあたり、子供神輿を製作していきました。古い時代に製作された神輿が社寺建築技術と同じであるとすれば、今回の製作は模型を製作したようなものであると思います。
しかし、四角形から六角形にしたことで前回の45度、90度といった加工が60度、120度という加工になり、技術的な難易度が高くなりました。また、部材数も約1.5倍増えることで作業量も増加しました。
製作は順調に進み、2月上旬に無事完成しました(写真2)。この後は納める町内会のほうで塗装することになっています。
六角形子供神輿の製作(H20)の画像1
写真1 モデルにした大館神明社の神輿
六角形子供神輿の製作(H20)の画像2
写真2 完成した子供神輿