大学校及び設置科 沖縄職業能力開発大学校 物流情報科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 安全衛生、物流機械、環境工学、電気工学、設計・製図、制御実習
課題に取り組む推奨段階 制御実習及び物流機械実習終了後
課題によって養成する知識、技能・技術

課題を通して、太陽光発電の利用方法、電気回路、加工組立技術を身に付けます。

製作の目的と概要

近年地球温暖化が深刻化し、その原因としてCO2排出が問題になっています。物流分野での輸送部門の船舶、航空機、トラックまた荷役機械のであるフォークリフト等もCO2を排出させています。その対策の一つとしてCO2排出ゼロの電気自動車などが注目を集めています。しかし、これもバッテリーの充電に電力を使用し結局発電所でCO2を発生させています。そこで、太陽エネルギーを利用し電気を発生させるソーラーパネル(太陽電池)を利用したものを製作することにしました。本総合制作実習は、自動車や物流機械を対象とすべきですが、最初なので比較的製作しやすいと思われるソーラーバイシクルに取組むことにしました。

成果

今回、安定度を増すため2台の自転車を使用し、1台に人が乗り、もう一方の自転車にモーターを取り付け走行するようにしました。また二人乗車することも可能です。
ソーラーパネル自体は薄く剛性がないので保護するために板に張り付けました。ソーラーパネルの設置位置は最も太陽エネルギーがソーラーパネルに当たるように上方に設置しました。試験的にソーラーパネルを直接モータとつなぎ、モーターの作動を確認しました。
2台の自転車の連結及びソーラーパネルの取り付けに使用した材料はアルミニウム角パイプ、アルミニウムC型材です。接合にはUポルト及びブラインドリベットを使用しました。
ハンドルは自動車のステアリングリンクの構造と同じようにタイロッドを使用し2台の自転車が同じようにハンドルを切れるようにしました。
図1は、完成車の全体です。図2はハンドル機構です。
当初ソーラーパネルの電力だけで走行することを考えましたが、日陰や曇りの日などは十分に走行するだけの電力が発電されないため、バッテリーを搭載することにしました。このことにより平坦路の最高速度は約10 km/hになりました。ソーラーパネルの電力だけだと晴天時4km/hになりました。今回は基礎的な走行テストしか行えませんでしたが、これからソーラーパネルの発電の特性を検証する走行テストを行っていく予定です。
ソーラーバイシクルの製作(H20)の画像1
ソーラーバイシクルの製作(H20)の画像2