大学校及び設置科 関東職業能力開発大学校 生産システム技術系共同開発
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 機械技術:機械設計、機械加工 電子技術:電子回路設計、アクチュエータ制御、プログラム開発
課題に取り組む推奨段階 機械技術:応用課程2年次 電子技術:応用課程2年次
課題によって養成する知識、技能・技術

機械技術:設計、製作及び組立・調整などの総合的な実践力 電子技術:設計、製作及び組立・調整などの総合的な実践力 をそれぞれ身に付けるとともに、課題解決能力を養成します。

製作の目的と概要

現在ナノテクノロジーの研究が盛んであり、超精密加工関連ではより小さい形状の製品を精密に作るという技術が求められています。応用例としては精密金型や医療用の微細製品の開発があります。
そこで我々は、過年度開発した超精密位置決め可能な三次元マイクロステージを使用して加工した、マイクロメカニズムに必要な部品の組み立てが可能なマイクロハンドを開発することにしました。100μmサイズの任意形状を保持でき、任意の場所に置くことができるマイクロハンドの製作を目標としています。写真1は今回製作したマイクロハンドで、対象物を置く回転可能なステージ部を中央に配置して、左右にハンド機構一対と上部に監視カメラ等を設けた構成としてます。

成果

装置はハンド部、リスト部、アーム部、ステージ部、観察部の5部から構成されています。ハンド部にはバイオメタルファイバーの熱収縮を利用した機構、先端部には30μmのプローブを採用しています。リスト部はDCモータを用い、上下運動及び左右の旋回運動は人の手首と同様の動作ができるように設計しました。アーム部はX、Y、Zの3軸で構成し、人の肩から肘の動作をイメージして設計しました。ステージ部の固定アームと可動アーム2本を使って加工物の保持を可能としています。ステージを回転することにより目的とする位置や、角度に対象物を移動させることが可能となりました。観察部はハンドの左右の動きと、上下の動きを見るためにUSBカメラを使用し、パソコン画面で動作を拡大して見ることができるようになっています。これらの部位の連動によって当初の開発目標を達成することができました。写真2はマイクロハンド先端部で、先端太さ30μmのプローブをバイオメタルファイバーの伸縮を利用して開閉する構造としています。
超精密加工用マイクロハンドの開発(H20)の画像1
超精密加工用マイクロハンドの開発(H20)の画像2