大学校及び設置科 北陸職業能力開発大学校 生産システム技術系共同開発
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 共通:安全衛生、生産管理、品質管理 機械:設計・製図、CAD/CAM、機械加工、材料、力学、機構学 電子:電子回路設計製作、センサー応用、マイコンシステム設計、アクチュエーター 情報:画像処理、プログラミング、計測制御
課題に取り組む推奨段階 機械:機械設計製図及び精密機器製作課題実習・自動化機器製作課題実習終了後 電子:電子装置設計製作実習終了後 情報:インターフェース設計製作実習・計測制御システム構築課題終了後
課題によって養成する知識、技能・技術

機械:設計、CAD/CAM技術、機械加工、組立・調整・検査 電子:マイクロコンピューター応用技術、電子回路設計製作技術、センサ応用 情報:計算機システムの設計、実装、テスト、運用

製作の目的と概要

近年、様々な警備ロボットが計画・開発されていますが、一般に普及するまでには至っていません。原因として、導入時の建物の改築費用が高い、かつ、夜間のみの業務では費用対効果が低いことが挙げられます。これらの問題を解決するために
 ・警備業務だけでなく複数の業務を行うことで費用対効果を高める
 ・本体の軽量化、及び、現状の建物で使用することで費用の低減を図る
をコンセプトに、多目的警備ロボットの開発を試みました。
ロボットの警備箇所として本校3階建のD棟を想定し、各階への移動はエレベーターを利用することとしました。また、昼間は玄関付近で待機中のロボットが、来客者に対して施設に関する案内や学生への講義に関する連絡を行います。

成果

本年度開発した警備ロボットの外観を図1に、その仕様を表1に示します。ロボットは本体中央部に取り付けたカメラで取得した画像から廊下の中心を見つけだし、次に進むべき方向を決定します。走行するためのメカニズムとして駆動輪2輪の速度差によるステアリングとリンク機構による駆動輪の90度旋回メカニズムを備えています。また、扁平なモーターと遊星歯車を組み合わせたホイールインモーターにすることで、省スペース化を実現しています。
各階へ移動するために、平行リンク機構を備えたアームの指先につけたカメラでエレベーターのボタンを探して押します。その際、ロボットの姿勢調節用として光測距センサを装備しています。その他に、障害物発見に超音波センサと不審者発見に焦電センサを備えています。ロボットは光電センサを利用して、充電ステーションにドッキングし、ステーションはAC100Vをロボット本体に供給することでバッテリの充電を開始します。ロボットはスイッチング電源を搭載しており、充電中もシステムは起動しているので、各機能への移行が可能です。
画像認識走行機能を有する多目的警備ロボットの開発(H20)の画像1
図1 ロボットの外観
画像認識走行機能を有する多目的警備ロボットの開発(H20)の画像2
表1 ロボットの仕様