大学校及び設置科 北陸職業能力開発大学校 附属石川職業能力開発短期大学校 生産技術科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 機械製図、機械設計、メカニズム、機械加工、数値制御、機械制御、3次元CAD
課題に取り組む推奨段階 機械製図、メカニズム、3次元CAD実習の終了後
課題によって養成する知識、技能・技術

課題を通して、シミュレーション解析、電気制御、加工、組立ての技術を身に付けると共にリンク機構、一軸送り機構、ワーク搬送構造を理解します。

製作の目的と概要

この課題は卓球部出身の学生が卓球練習マシーンを作りたいとの考えから始まりました。構造には、一部ですが玩具の仕組みを取り入れました。それは学生からの意見において、子供のころに遊んだ玩具の構造には、今見ても驚くほど複雑で、よく考えられた機構がたくさんあり、是非製作品に組み込みたいという要望があったためです。ピンポン球の発射装置には、専門課程で習得したリンク機構、自動機の搬送の仕組み、マイコンによる機械制御や一軸テーブルを利用した構造などを取り入れ、学生が興味を持ちながらものづくりに取り組み、その中で知識や技能を向上させる目的で本製品の設計・製作に取り組みました。

成果

テーマの選定には、学生が自分たちで作ってみたいと思うものをそれぞれに提案させ、ブレーンストーミングによって決定しました。仕様作成では球を発射するだけではなく、その製作物に付加価値をつけ、市販品を真似ただけではない構造を検討するように指導しました。
製作手順は、3次元CADにより作図し、コンピュータ上での動作シミュレーションや干渉チェックを行った後に、試作し検証を行うよう指導しました。次に部分試作での検証を基に試作の欠点を変更し、本格的な設計・製作に取り掛かりました。ここでは、設計→製図→加工→部品発注→組立・調整→センサー選定→マイコンによる機械制御というような製品製作の一連の流れを指導しました。
この製作物には、台形ネジを用いた一軸テーブルやリンク構造、自動機の搬送機構などの構造があったため、加工においては偏芯軸、200点以上の部品加工がありました。
本課題の製作を通して、専門課程で得た知識と技能を向上でき、コミュニケーション能力や一人ひとりの役割に対する責任感の重要性を理解できたと考えられます。
ピンポン球発射装置の製作【歩け、ホウダイ!の製作】(H20)の画像1