大学校及び設置科 中国職業能力開発大学校 附属福山職業能力開発短期大学校 生産技術科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 安全衛生、機械加工、測定、材料、力学、設計・製図、CAD、溶接、NC加工、制御
課題に取り組む推奨段階 機械製図、力学、機械加工実習及びCAD実習終了後
課題によって養成する知識、技能・技術

課題を通して、主にメカニズム設計及び機械加工技術の実践力を身に付けます。

製作の目的と概要

機械設備では回転機構のものがたくさんあります。予防保全を行う中で回転機器の異常を早期に発見できる振動測定解析は大変有効です。
本課題では、「振動測定用回転シミュレーター」という実験装置を設計・製作することにしました。
アンバランス、ミスアライメント、軸受の傷などの異常状態を強制的に発生させ、振動を測定し、正常な状態と比較し判定できるような構造を考えて製作に取り組みました。その中で、振動解析手法の知識を習得し、設計ノウハウおよび機械加工技能向上を目的としました。

成果

製作したシミュレーターを図2に示します。組立後の全体の寸法は、幅500mm×奥行350mm×高さ340mmで総重量45kgfとなっています。
左右対称のステージがあり、左側をAステージとして正常な状態、アンバランス、ミスアライメントの設定をし、右側をBステージとして軸受に傷をつけたものを取り付けています。中央のハンドル操作で簡単にステージの切り替えができ、中央のコントローラーで回転駆動をさせます。
本実験装置の設計では、できるだけ簡易的な構造になるように試行錯誤しました。また製作にあたり、各種工作機械の加工技能を習得し、高精度に仕上げる技能を身に付けることができました。
完成後、振動測定実施検証を行い、異常判断できるデータが得られました。それぞれが役割分担して1つのものを完成させたときに達成感と同時にものづくりの面白さ、難しさを感じていました。
振動測定用回転シミュレーターの製作(H20)の画像1
振動測定用回転シミュレーターの製作(H20)の画像2