大学校及び設置科 四国職業能力開発大学校 電子技術科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 機械工作、VisualBasic(R)プログラミング、Excel(R)マクロ、A/D変換、アクチュエーター技術
課題に取り組む推奨段階 機械工作実習および言語プログラミング実習終了後
課題によって養成する知識、技能・技術

課題を通して、機械工作(穴あけ、タップ、レーザー加工等)の技能、プログラミング技術、アクチュエーター制御技術などの実践力を身に付けます。

製作の目的と概要

現在、スポーツ選手や障害者などのインソールはオーダメードされていることが少なくありません。なぜなら、その人の持つ身体能力の向上、足の負担や障害の程度の軽減といった効果が期待できるためです。このようなインソールの製作方法は、まずインソール使用者の足底部の型を取り石膏モデルを製作します。次に、石膏モデルの形状を専用の計測機により自動計測します。さらに、専用の加工機が計測値を基にベースインソールを削り完成となります。しかし、製作したインソールをそのまま使用することは少なく、多くの場合は使用者の意見を基に、表面を削るあるいは専用のシートを一部に貼り付ける等の後加工を施します。これには手間や時間を要し、また経験が必要となります。したがって、足底形状を計測する段階で、単に表面形状という定量的な計測を行うだけでなく、使用者自身の履き心地といった感覚的な意見も取り入れ、能動的に足底形状を変形制御可能なシステムが求められています。本報告においては、足底形状の計測部の開発を行いました。計測方法はさまざま考えられますが、能動的に変形制御可能なシステムに発展させることも考え、図1に示す方法を提案しました。まず、格子状に並べられたプローブが使用者に踏まれることにより沈みます。次に、プローブが沈んだ変位を下部のレーザー変位センサにより取得します。最後に全プローブの変位を計測し、足底形状を取得します。

成果

写真1に開発したシステムの写真、図2に計測した足底形状の一例を示します。人間が足を乗せれば全自動で足底形状の3次元化が可能なシステムを形作ることができました。今後は、補正のかけ方、足底形状計測時間の短縮等を図ることにより、誤差を低減することを考えています。さらに、本開発で製作したシステムをベースに能動的に足底形状の変形が可能なシステムに発展させる予定です。
足底形状の計測および変形制御システムの開発(第1報) ―足底形状の3次元計測―(H20)の画像1
足底形状の計測および変形制御システムの開発(第1報) ―足底形状の3次元計測―(H20)の画像2
足底形状の計測および変形制御システムの開発(第1報) ―足底形状の3次元計測―(H20)の画像3