大学校及び設置科 北海道職業能力開発大学校 生産システム技術系共同開発
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 機械:機械設計、機械加工、材料技術 電子:マイコン技術、電子回路技術(トランジスタ回路、オペアンプ回路) 情報:プログラミング(C言語、Visual Basic(R) など) 3科共通:安全衛生
課題に取り組む推奨段階 機械:機械設計・機械加工を習得した段階 電子:マイコン技術・電子回路技術を習得した段階 情報:プログラミング(C言語、Visual Basic(R) 言語など)技術を習得した段階
課題によって養成する知識、技能・技術

機械:主に機械材料、機械設計技術、機械加工技術 電子:主にマイコン技術、電子回路技術 情報:主にプログラミング技術 の実践力を身に付けます。また、3科共通としてコミュニケーション能力を身に付けます。

製作の目的と概要

 抵抗率測定は、材料の電気的特性を知るためにとても重要です。四探針法は、試料に測定電極をあらためて形成する必要がなく、測定が容易なため広く用いられています。しかし、市販の測定装置では3次元形状の試料の測定が行ないやすいとは必ずしも言えません。また、通常の四探針法では補正係数の計算が面倒です。そこで、3次元形状試料の測定も可能な汎用性の高い抵抗率測定装置を開発することを目的としました。

成果

 本開発装置では、従来の四探針法に加えて、アメリカ材料試験協会で開発された四探針法(ASTM法とよぶことにします)によっても測定できる装置としました。これにより、わずらわしい補正係数の計算から開放されます。また、3次元形状試料を測定しやすくするために、新しく針(プローブ)の長さの長いプローブヘッドも開発しました。
 本装置を使用していろいろな大きさのn形シリコン基板の抵抗率を測定しました。用いた基板の抵抗率の公称値は10 cmです。結果を図2に示します。従来法での抵抗率は、基板の大きさが小さくなるにつれて抵抗率が実際の値より大きく算出されています。これは、従来法では、基板がプローブ間隔に比べて充分に広いとしたときの補正係数(固定値)を用いているためです。しかし、ASTM法による測定では、形状が異なっていてもほぼ同じ抵抗率の値が得られています。このように、わずらわしい補正の手間から開放された実用性の高い装置を開発することができたと考えています。
四探針法を用いた自動抵抗率測定装置の開発(H20)の画像1
四探針法を用いた自動抵抗率測定装置の開発(H20)の画像2