大学校及び設置科 四国職業能力開発大学校 附属高知職業能力開発短期大学校 情報技術科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 プログラミング技術、データベース技術、オブジェクト指向技術、ネットワーク技術
課題に取り組む推奨段階 モジュール化されたプログラムの開発手法と、SQLを用いたデータベース操作方法の習得後
課題によって養成する知識、技能・技術

課題を通して、チームで分担する開発手法、GUIプログラミングを習得し、さらに上記の技能・技術を総合的に組み合わせて応用する力を養成します。

製作の目的と概要

IT技術者になるために避けて通れないのが、タイピング練習とIT用語の学習です。タッチタイピングは比較的短時間で習得できますが、技術者として必要なタイピング速度に到達するまでには時間がかかるため例文を用いたタイピング練習を行います。そこで、IT用語解説を例文としてタイピング練習を行い、ドリルで例文と連動した問題を出題して理解度を確認する学習システムを開発しました。
さらに、技術的な挑戦として、次の2点について実装しました。
・タイピング練習では、漢字変換しながら入力する機能を実装し、漢字変換時間も含めた本当のタイピング時間を測定する。
・ドリルでは、IT用語問題の他に、基礎力を養う問題を自動生成する機能を実装し、数をこなせばこなすほど効果が出る分野を学習できるようにする。
本課題は、実際に授業等で使うことを前提として開発しており、将来的に本校オリジナルのタイピング練習ソフトとして発展することを目指しています。

成果

タイピング練習ソフトは世の中に数多くありますが、IT用語学習と連携した練習ソフトはあまり存在しません。また、漢字入力時間も含めて測定する練習ソフトも珍しいです。極めてオリジナリティの高い内容であり、かつ今後の展開も期待できる課題として実施しました。
本課題は、4人の学生が分担作業で開発しました。開発現場では、チームで開発するときにバージョン管理システムを活用しているので、その開発手法を取り入れました。図1は、開発したシステムの構成図です。教室等で学生が一斉に練習することを想定しているので、ネットワーク経由でデータベースに接続する構成をしています。図2は、タイピング練習画面の様子です。漢字変換をしながら練習していることに注目してください。
この課題に取り組む過程で、今まで学習してきた内容を応用し、さらに未経験の新技術を積極的に取り入れました。これらの経験を通じて、自ら調べ、確かめ、実装していくという現場で求められていく力を養成できたと考えます。
タイピング練習と連携したIT用語学習システム「技トレ」(H21)の画像1
図1 システム構成図
タイピング練習と連携したIT用語学習システム「技トレ」(H21)の画像2
図2 タイピング練習画面(一部)