大学校及び設置科 近畿職業能力開発大学校 附属滋賀職業能力開発短期大学校 住居環境科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 環境工学?・?、環境工学実験?・?、住居論、建築材料?・?
課題に取り組む推奨段階 環境工学実験終了後
課題によって養成する知識、技能・技術

課題を通して、主に断熱材および省エネルギー化の知識と実験計測方法を身に付けます。

製作の目的と概要

近年、建築物及び住宅においては、省エネルギー化が重要なテーマになっています。特に住宅の省エネルギー化においては、断熱材がポイントになっています。また、エコライフ住宅を目指した断熱材を導入しなければならない社会的要求も背景にあります。
そこで本年度の実習課題では、最近注目を集めている環境にやさしい有機質断熱材であるセルロースファイバー内断熱材について、一般に普及している他の無機質断熱材との性能違いについて実験用住宅および試験ボックスを使用して実証実験を行ったものです。また、これらの実証実験は、本校におけるエコイノベーションプロジェクトの参画テーマとしても取組んだものです。

成果

断熱材の実証実験を通して得られた成果は、一般に普及している無機質断熱材であるグラスウールに比べてセルロースファイバーは室内空間の湿度を一定に維持しようとする吸放湿を繰り返す調湿機能があることが実験により実証できました。また、断熱性能においても保温効果のデータからセルロースファイバーが長時間の保温効果がありこの点でも優れていることがわかりました。
これらのことより、有機質断熱材であるセルロースファイバーが、省エネルギー化住宅およびエコライフ住宅において適した断熱材であることが、実証実験により証明されたと考えられます。また、ハイブリッド型の断熱材も優れた断熱性能を示すという成果を得ることが出来ました。
したがって、この一連の実験によりセルロースファイバーが優れているということを実証できた意義は大きいと思われます。
セルロースファイバー断熱材の性能に関する実証実験(H21)の画像1
写真1 実験用住宅2棟
セルロースファイバー断熱材の性能に関する実証実験(H21)の画像2
図1 住宅実験棟:温度・湿度変化グラフ
セルロースファイバー断熱材の性能に関する実証実験(H21)の画像3
写真2 セルロースファイバー取付け状況