リサイクル材料としては、ペーパーシュレッダーダストと、木工機械から排出される秋田杉の木くずを取り上げました。これらの材料で吸音・断熱材を作製し(図1)、空気音遮断性能と断熱性能の評価を行いました。空気音遮断性能の評価方法としては、既存の模擬家屋を改修後、間仕切壁(試験壁)にリサイクル吸音・断熱材をはめ込み、石膏ボードを両面に張り、JIS A 1417を参考に試験を行いました。
室間音圧レベル差の周波数依存性を図2に示します。石膏ボード間にリサイクル吸音材をはめ込んだ場合は、中空壁と比べ200Hz付近で空気音遮断性能が向上しました。これは中空層に吸音材が入ることにより、空気層が共振する低域共鳴透過が抑制されたためと考えられます。
断熱性能の評価方法としては、JIS A 1420を簡略化した校正熱箱を製作し、熱伝導率の測定を行いました。その結果、市販のグラスウール断熱材(16k)と同等(λ= 0.045 W/m・K)の性能が得られました(表1)。熱伝導率による性能分類(A1〜Eの6分類、Eが高性能)ではB種となります。
また、防火性はホウ酸塩で薬剤処理することにより、火炎の発生が抑制され、改善できました。