大学校及び設置科 北陸職業能力開発大学校 附属石川職業能力開発短期大学校 情報技術科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 生産画像工学、画像処理、ソフトウェア生産工学
課題に取り組む推奨段階 生産画像工学実習、画像処理工学実習、ソフトウェア制作実習修了後
課題によって養成する知識、技能・技術

課題を通して、電子回路制作、画像処理技術の応用力を身に付けます。

製作の目的と概要

初めてパソコンに触れた時、誰でもマウス操作に困惑した経験があると思います。また、今日では新たなインターフェイスを備えた機器も多数発売され、注目を集めています。
本制作ではSF映画で描かれる近未来のコンピュータ操作を参考とし、現実世界に近い直感的な操作が可能なポインティングシステムを制作しました。
動作原理は、操作者の手の動作に合わせて赤外線を送信し、送信された赤外線はWebカメラ(IRフィルタを装着)で撮影されコンピュータへ送られます。コンピュータ側では、撮影した画像に対して画像処理を行い、操作者の手の動きを読み取ります。読み取った情報を元にコンピュータ側のアプリケーションが手の動きに合わせた操作へと対応付けます。
操作者は、指で摘まむ動作で画面上の画像を選択し、選択した画像の回転や移動といった操作が可能です。

成果

本制作では赤外線投光装置から発した赤外線を指先に装着した再帰性反射材で反射させる方法と、光源を使用せず、赤外線を指先から発光させる操作用グローブを使用する方法について動作検証を行いました。
赤外線投光装置は赤外線を一定レベルの強さで広範囲に投光する必要があるため、回路設計や基板作成を含め全て自作にて作成しました。
検証の結果、操作用グローブを使用する方法は赤外線が正確に認識され、手の動作範囲も広範囲であり、
ポリテクビジョン等に出展し、多くの人に動作を確認してもらいましたが、誰でも簡単に操作が可能であり、ポインティグデバイスとして使用できることを確認できました。
Webカメラと赤外線を用いたポインティングシステムの制作(H21)の画像1
図1 動作風景
Webカメラと赤外線を用いたポインティングシステムの制作(H21)の画像2
図2 処理の流れ
Webカメラと赤外線を用いたポインティングシステムの制作(H21)の画像3
図3 赤外線投光装置(左)、操作用グローブ(右)