大学校及び設置科 東北職業能力開発大学校 附属秋田職業能力開発短期大学校 電子技術科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 パワーエレクトロニクス技術、計測技術
課題に取り組む推奨段階 太陽電池利用技術、MPPT(最大電力追従)設計技術、パワーエレクトロニクスなどの基礎を習得した段階
課題によって養成する知識、技能・技術

DC-DCコンバータ、MPPT、太陽電池、OPアンプ

製作の目的と概要

 近年、自然エネルギーや環境にやさしいエネルギーの開発が行われています。そのようなエネルギーを効率よく収集するための機器がMPPT(Maximum Power Point Tracker)です。この機器のベースとなる電力変換機器がコンバータであり、それはMPPTコントローラにエネルギーの情報を与え、それによるMPPTコントローラからの信号に基づいて電力変換する入力制御型コンバータです。
 このようなコンバータには、昇圧型コンバータと降圧型コンバータがあり、システムの構成と目的により選択します。ここでは、公称48Vの蓄電池を使用するという前提で、昇圧型コンバータの設計と製作を行い、問題点を抽出し今後の設計製作に活用することを目的としています。

成果

 図1に設計製作した昇圧型コンバータを示します。この基板にMPPTコントローラを搭載して最大電力50WのMPPTとなります。
 この昇圧型コンバータを用いたMPPTの効率は75〜95%であり、これは最適なシステムを構成した場合、常に90%以上の効率が確保できることを示しています。
 本来、太陽電池や燃料電池、風力発電機などによる出力をもって得たデータを示すことが望ましいのですが、本校にはないため、直流安定化電源に内部抵抗に見立てた抵抗を与えて最大電力点のある電源とし、データを得ています。
MPPT用昇圧型コンバータの設計製作(H18)の画像1
図1 MPPT用昇圧型コンバータ(入力制御型コンバータ)
MPPT用昇圧型コンバータの設計製作(H18)の画像2
図2 MPPTコントローラを搭載して測定した電力変換効率