大学校及び設置科 関東職業能力開発大学校 生産システム技術系共同開発
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 機械系は、機械設計技術、機械加工技術、CAD/CAM技術、計測技術など。電気電子系は、マイコン利用技術、PLC利用技術、プリント基板設計技術、アクチュエータ利用技術など。情報系は、画像処理、統合生産管理システム、リアルタイムシステムなど。
課題に取り組む推奨段階 機械系、電気電子系、情報系ともに標準課題実習の終了後
課題によって養成する知識、技能・技術

課題を通して、「ものづくり」の全工程の生産管理を主体的に行う複合化した技術、技能及びその活用能力(応用力、創造的能力、問題解決能力、管理的能力)の実践力を身に付けます。

製作の目的と概要

開発依頼企業では、ナスの選果を生産者側と企業側で2度行っています。この選果作業を自動化することで、労力軽減、コストダウン、選果の均一化を図ります。また、作成したデータベースを基に農業指導等に活かします。
開発装置は、自動的にナスを供給・画像検査・重量測定を行い、A品・C品・その他に選果します。設計するにあたり重視したのは、ナスを傷つけないようにスムーズに搬送することであり、シリンダ等で押し出さずに、ベルトコンベアで流しました。
図1に供給装置、図2に検査装置を示します。供給装置は投入部と供給部、検査装置は検査部A、反転部、検査部B、重量測定部、選果部から構成されます。
本装置によるナスの検査の流れを説明します。
 ?ナスを供給装置の投入部に所定の並びで配置
 ?供給部によりナス1本を約2秒間隔で供給
 ?検査部Aで形状測定とオモテ面を表面検査
 ?ナスを反転
 ?検査部Bでウラ面を表面検査
 ?重量を測定
 ?ナスを規格ごとに選果

成果

検査装置ではタクトタイム2秒を遵守し、ノンストップで画像検査及び重量検査を行なったため多少検査精度が低下しました。検査装置の最大の特徴は画像検査用のナス反転部です。
企業側から提示されたナスの規格とその要求検査精度を表1に示します。また開発装置の検査精度を表2に示します。表面検査は可能であったが、ナスの表面の色合いにより正確な評価をするに至りませんでした。その他は良好な結果が得られました。
ナス自動選果装置の開発(H21)の画像1
ナス自動選果装置の開発(H21)の画像2
表1 ナスの規格と要求検査精度
ナス自動選果装置の開発(H21)の画像3
表2 開発装置の検査精度