大学校及び設置科 九州職業能力開発大学校 生産システム技術系共同開発
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 共通:安全衛生管理、生産管理、品質管理・機械:CAD/CAM、機械設計、精密加工、鉄鋼材料、自動化機器・電子:コンピュータシステム技術、電気機器、センサ工学、パワーエレクトロニクス等・情報:プログラミング技術、リアルタイムシステム、計測制御、図形処理等
課題に取り組む推奨段階 複合技術になるため、課題の前提となる科目の学科及び実技の終了後が望ましい。
課題によって養成する知識、技能・技術

課題を通して創造力、企画・開発力、技術連携力を養い、各専門分野の能力の向上を図ると同時に安全衛生や工程管理・品質管理を通して”ものづくり”の実践力を身に付けます。

製作の目的と概要

船舶等で使用されている配管は、安全性を考慮して頻繁な交換が行われます。配管には設計段階で設計される設計管とブロック同士を繋ぐ管である接続管(短管)があります。接続管は現場で計測を行った後に設計、製作されます。
従来の短管計測の流れには「狭い船内での溶接作業を伴う金型管の製作は危険を伴う」「金型管の陸揚げ・輸送、一品一様の設置台製作の際に時間とコストが発生する」の2つの問題点がありました。
これらを解決するために、(株)プラスワンテクノが開発したのが「短管計測システム」です。短管計測システムは、安全面・コスト面において今後大きな効果が期待されていますが、「質量が15kgほどあり、持ち運びにくい」「ソフトウェアのソースが存在せず顧客ニーズへの迅速な対応が難しい」という問題を抱えていました。そこで小型・軽量化およびメンテナンス性の向上を目的として、(株)プラスワンテクノと共同開発を行うことにしました。

成果

第一目標である短管計測システムの小型・軽量化については、コントローラを従来のパソコン制御からマイコン制御に変更(タッチパネルの採用とパルスカウンタ回路の製作)することで容積を26.4%、重量を70.0%の軽減を実現しました。計測装置については材質変更や部品一体化による軽量化を検討し、強度シミュレーション実験を行い、軽量化の可能性を見出しました。またメンテナンス性を向上させるためワイヤ送り出し機構を製作実験し、その結果を企業に報告、提案しています。
管製作表ソフトについては現行ソフトウェアの機能を分析し、逆計算機能とデータ削除機能を除く基本機能は動作確認できています。作成した設計書、ソースは各担当でまとめ、企業に報告書として提供する予定になっています。
短管計測システムの開発(H21)の画像1
図1 従来の短管計測・製作の流れ
短管計測システムの開発(H21)の画像2
図2 短管計測システムを用いた流れ
短管計測システムの開発(H21)の画像3