大学校及び設置科 九州職業能力開発大学校 生産システム技術系共同開発
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 電子回路、マイコン技術、プログラミング、インターフェイス技術、CAD/CAM技術、機構設計技術、加工技術
課題に取り組む推奨段階 応用課程2年次
課題によって養成する知識、技能・技術

課題を通して、電子は電子回路設計技術、センサー計測技術、モータ駆動技術、アルゴリズム構築、検証技術等を機械は機械加工技術、CAD/CAM技術、駆動メカニズム設計技術等の実践的な技術を身に付けます。

製作の目的と概要

平面を移動する移動ロボットは、移動することでそのロボットの目的を果たしますが、同時に目標地点へ到達することも求められます。目標地点への到達を確実にするためには経路途上の任意の障害物を避ける機能が必要になります。実際にはロボットの動作環境が限定されたり、ロボットに障害物情報を与えたりできる場合が多く、目標点到達は大きな課題とはなりません。ここではロボットに全く障害物情報を与えることができない場合で、しかも任意形状の障害物を回避して目標地点に到達する手法を検証できる移動ロボットを開発します。移動ロボットが環境内の任意の障害物(固定)を回避して目標点へ辿りつくことは理論的には保証されています。したがって実際に目標点へ到達することが検証できれば、移動ロボットの動作環境を拡大させて応用することが可能になります。

成果

この開発課題では、移動ロボットの仕様を表1のように定め開発しました。移動速度は人の移動に相当する速度を目標にしました。赤外線距離センサーを用いてロボットをマイコンで制御します。レーザを用いた距離センサーを使う場合もありますが価格が高くなります。この開発課題ではコントローラを含め安く仕上げるようにしました。回避実験には確認用に囲まれた壁面をダンボールで作成し、その壁を検出し辿っていく動作を確認しました。また、その外側についても同様に辿っていく動作を確認予定でありましたが、アルゴリズムにミスがあったために、その他の回避動作については確認ができていません。初年度の開発課題としては未完成ではありましたが、70%以上の成果であると評価しています。未完成であった部分は次年度の開発課題で取り組んでいく予定です。
全方向移動ロボットの開発(H21)の画像1
図1 全方向移動ロボット
全方向移動ロボットの開発(H21)の画像2
図2 壁面に沿う動作実験
全方向移動ロボットの開発(H21)の画像3
表1 移動ロボットの仕様