大学校及び設置科 北海道職業能力開発大学校 生産技術科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 安全衛生、機械加工、測定、材料、力学、設計・製図、CAD
課題に取り組む推奨段階 機械設計製図及び機械加工実習修了後
課題によって養成する知識、技能・技術

課題を通して、主にメカニズム設計及び機械加工技術の実践力を身に付けます。

製作の目的と概要

本作品は小型で持ち運び可能な旋盤を製作することで、製品設計の手法・加工技術の向上を目標として昨年度より設計・製作に取り組んでいます。今回はその構成ユニットのひとつである往復刃物台の設計・製作を題材に取り組みました。ミニ旋盤の加工仕様はアルミニウム合金(A5052相当)等を対象とした手送りによる軽切削加工及び小径の加工物を主眼に置き設計を進めました。概観図及び3DCADによる組立図をそれぞれ図1・図2に示します。

成果

実際の普通旋盤の往復刃物台に近い機構で製作するように心がけ、細心の注意を持って設計・製作に取り組みました。設計時には3DCAD/CAMシステムを活用して干渉の確認や強度解析を行いながら設計を行いました。送りねじ部は左ねじの加工を行ない、X,Zそれぞれの軸は時計回りに回転させることにより前進する機構としました。また、バックラッシュを抑える機構や、ハンドルの回転抵抗を自由に調節できる機構を採用し、加工誤差が少なくなるような工夫を施しました。また、摺動面に対してはあり溝加工を行うことによって切削力に対して耐力のある構造にしました。精度確認についてはマシニングセンタのワーク座標測定装置を使用し動作検証を行い、結果として刃物台の切削領域における精度は概ね仕様を満足できる結果となりました。
ミニ旋盤の設計・製作 〜往復刃物台の設計・製作について〜(H21)の画像1
図1 往復刃物台の概観図
ミニ旋盤の設計・製作 〜往復刃物台の設計・製作について〜(H21)の画像2
図2 3DCADによる組立図