大学校及び設置科 北海道職業能力開発大学校 生産システム技術系共同開発
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 機械は工業力学、材料力学、メカニズム、機械製図、機械加工、安全衛生・情報はPIC(R)マイコンプログラム、数値計算、およびVisual Basic(R)のプログラム技術、安全衛生
課題に取り組む推奨段階 標準課題終了後(機械、情報共に)
課題によって養成する知識、技能・技術

課題を通して、機械は自動化機器の設計、製作、組立技術を情報はマイコンプログラム、Windows(R)アプリケーション作成技術等の実践力を身に付けます。また、両系共に課題を通して、グループ全体のコーディネート、プレゼンテーション能力の実践力も身に付けます。

製作の目的と概要

機械工学実験では、測定データの精度は一定の水準に達していれば良いので、操作が簡便で目で見てわかりやすい実験装置を数多く揃えることが実験の目的に沿っていると考えられます。ここでは3つのユニット、 (1)動吸振器の実験装置(図1)、(2)回転軸の危険速度の実験装置(図2)、(3)平面骨組構造の有限要素解析プログラムを製作しました。(1)では機械を簡単な質量-ばねの力学モデルで置き換え、これをリニアガイド上で台車を往復運動させることで実現しています。加振した際の台車の振動波形をポテンショメータで測定します。これに第2の小さい質量とばねを取り付けて動吸振器(2自由度系の強制振動)の実験を行うことができます。また、不釣り合い力の実験を行うことも可能です。(2)では、おもりを取り付けた回転軸の危険速度を測定することができます。この装置は簡単な回転曲げ疲労試験装置として使用することもできます。(3)はWindows(R) PCで動作する有限要素法を用いた平面骨組構造の静解析プログラムです。部材に生ずるたわみとたわみ角、反力を求めることができます。

成果

実際に振動波形を読み取り、振幅倍率と位相角を求めて、それらを理論値と比較することが、工業力学や機械振動を学びための有力な動機づけになります。また、部品を交換することで複数の実験テーマをひとつの実験装置で展開できることは、コストやスペースの節約にも大いに貢献します。
機械工学実験で使用するためには、実験の担当教員や学習者からのフィードバックが必要ですが、このシステムを複数揃えることにより、学習者1〜2名に対して1テーマを課する少人数教育を実施することが期待できます。
機械工学実験支援システムの開発(H21)の画像1
図1 動吸振器の実験装置
機械工学実験支援システムの開発(H21)の画像2
図2 回転軸の危険速度測定装置