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課題の要約
小平市の大気粉じん中に含まれる多環芳香族炭化水素の測定(H21)
大学校及び設置科
職業能力開発総合大学校 小平キャンパス 環境化学科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術
有機化学、有機化学実験?、有機化学実験?、機器分析法?、大気工学、大気測定実習
課題に取り組む推奨段階
2年生後期
課題によって養成する知識、技能・技術
課題を通して、大気粉じんのサンプリング法・SPM中のPAHsの抽出法・GC-MS分析法に関する応用的な知識・技術・技能を身に付けます。
課題情報シートをダウンロードする
製作の目的と概要
高度成長期から顕著となった大気汚染は、石油化学工業の成長に伴い発生してきた硫黄酸化物やばいじん、さらに自動車特にディーゼル車から排出される窒素酸化物によるものであり、二次的に発生する酸性雨もこれら排出ガス成分によるものです。また、近年では主に大気粉じんに付着している発がん性のベンゾ[a]ピレン(以下BaP)に代表される多環芳香族炭化水素(PAHs)の調査が東京都をはじめとする各自治体で行われています。そこで、本年度の実習課題としては、調査データが豊富な東京都に職業大東京校があることから、小平市の現状を調査することを通して、環境分野で重要視されているガスクロマトグラフ質量分析法に関する知識・技術・技能を身に付けることを目的としました。
成果
大気粉じんを石英繊維ろ紙に捕集した後、ソックスレー抽出法によりPAHsを溶媒抽出する前処理操作において、従来法(環境省指針)では発がん性があるベンゼンを使用することになっていますが、さまざまな検討実験を重ねた結果、トルエンにより抽出を行い、その後アセトンに転溶すればベンゼンと同等な結果を得ることができることが分かりました。これにより、分析者の労働衛生環境は大幅に改善されました。
一方、PAHsの調査の結果、小平市の大気粉じんは例年並みの濃度であり大きな環境の変化は確認されませんでした。しかしながら、図1に示すように今年度から新たに調査項目としたベンゾ[b]フルオランテン(B-FUL)濃度が、毎年調査しているBaP濃度と強い相関(r2=0.76,n=8)があることが分かり、同じ発生源由来と推定されました。この結果から、全国的に調査されているBaPだけでなく、自主的に多くのPAHsを調査することは、発生源の特定や対策に役立つ可能性があることが分かりました。
今後は、BaPと相関が低かったPAHsの発生源などを検討するとともに新しいPAHsの調査も並行して行い、大気汚染対策に役立つ調査方法。調査項目の確立に向けて継続調査を実施していく予定です。
図1 BaPとB-FUL濃度の相関図
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