大学校及び設置科 中国職業能力開発大学校 生産システム技術系共同開発
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 生産電子は安全衛生、電子回路設計、筐体設計、計測技術、センサ技術、生産情報はマイコンソフトウェア技術、通信技術
課題に取り組む推奨段階 全科ともに標準課題終了後
課題によって養成する知識、技能・技術

課題を通して、生産電子は電子回路技術、センサ技術、鉄鋼材料判別技術、半田付け技術、筐体製作技術、報告書作成、生産情報はマンマシンインターフェース作製技術、GUIプログラミング技術、通信技術、報告書作成などの応用的な技能・技術を身に付けます。

製作の目的と概要

焼入れをおこなう製造業の現場では、品質管理の面や材料の入手ミスの面などから、手軽に鉄鋼材料(以下鋼材)を判別できる装置が求められています。一般的に使用する鋼材を外観だけで判別することは困難です。たとえば、金属加工の現場で鋼材の判別を行うには、火花試験や顕微鏡による金属組織を観察する方法の二種類が一般的には考えられます。しかし、前者は目視観察のために判別はかなりの熟練を要し、後者は調べる鋼材を鏡面状に研磨するなどの必要があるため非常に手間がかかります。そこで焼入れ現場でも手間がかからない手法で、誰でも容易に鋼材の判別を行える電磁式のセンサで判別装置の開発を行いました。

成果

工場内での持ち運びを可能とするためにバッテリー駆動としました。簡単に操作できる液晶タッチパネルは背面から放射ノイズの対策のため、マイクロコンピュータやセンサ回路から離した場所に取り付けました。装置を使用しない場合は、ノートパソコンの様に折りたたむことが可能となります。その結果、焼入れで使用される鋼材の判別を製造現場で使用可能とした装置を開発することができました。現段階では3種類の鋼材をそれぞれ判別することが可能です。
電磁式焼入れ用鋼材判別装置の開発(H21)の画像1
写真1 開発した装置の外観
電磁式焼入れ用鋼材判別装置の開発(H21)の画像2
図1 タッチパネル画面