大学校及び設置科 沖縄職業能力開発大学校 生産システム技術系共同開発
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 機械系:機械設計、機械加工技術、CAD/CAM/CAE技術 電気・電子系:コンピュータ応用技術、電子回路設計技術、電子CAD技術
課題に取り組む推奨段階 機械系:標準課題終了後   電気・電子系:標準課題終了後
課題によって養成する知識、技能・技術

機械系:課題を通して、機械設計および加工技術の応用力を身に付けます。 電気・電子系:課題を通して、組み込み技術、センサ回路技術、電子回路設計・製作技術の応用力を身に付けます。

製作の目的と概要

離島を結ぶフェリーは、離島の住民からすれば生活の足であり、テレビは乗船時の主な娯楽となっています。反面、フェリーでは、テレビの映像が頻繁に乱れており、乗客からの苦情が絶えない状況です。
一方、地上デジタルテレビ放送のネットワーク構成は、陸上エリアの固定受信世帯の安定受信を目指して構築されており、海上での安定受信は考慮されていません。海上では、マルチパスやSFN混信の影響があるため、全方位型アンテナとブースターを用いて受信レベルを高くしても、必ずしも安定受信はできません。むしろ、マルチパスやSFN混信の影響を受け難い指向性の強いアンテナを使用し、常にそのアンテナをテレビ中継局に向けることが有効です。しかし、地上波テレビ用の追尾装置は現在販売されていないので、船舶を対象とした地デジ用自動追尾アンテナ装置の開発を行いました。

成果

船舶の現在地とテレビ中継局の方位を算出する制御回路と自動追尾アンテナ装置を駆動するドライバ回路を設計・製作しました。また、小型船舶用の小型ローテータも製作しました。
 船上は、動作環境が厳しく、防水や強風対策、塩害対策を施す必要がありました。塩害対策に関しては、試作機にて長期に耐久試験を行い、良好な結果を得ることができました。
装置の動作についても、応答速度、精度ともに要求条件を満たしており、実用化の目処が立ちました。
船舶における地デジ用自動追尾アンテナ装置の開発(H22)の画像1
図1 自動追尾アンテナ装置
船舶における地デジ用自動追尾アンテナ装置の開発(H22)の画像2
図2 制御部
船舶における地デジ用自動追尾アンテナ装置の開発(H22)の画像3
図3 小型ローテータ