大学校及び設置科 四国職業能力開発大学校 生産システム技術系共同開発
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 安全衛生、機械設計、材料、機械加工技術、測定、電気電子、制御技術、アクチェータ技術、センサ技術、画像処理、通信、プログラミング、ネットワーク技術などを中心に各科において専門課程から応用課程1年次までに習得した全ての知識・技能・技術
課題に取り組む推奨段階 応用課程 2 年(応用課程 1 年で標準課題の単位を習得後)
課題によって養成する知識、技能・技術

・機械設計技術、計測制御技術、CAD/CAM応用技術、各種加工技術・制御システム設計製作技術、モータ制御、通信、マンマシンインタフェース・画像処理システム設計製作技術、画像処理、通信、プログラミング・企画開発、検証、報告書作成、発表など

製作の目的と概要

プレス加工を適用した自動車部品の1つに、ドアの開閉に重要な役割を果たすヒンジがあります。倉敷市内のP社では、ヒンジに装着されるブッシュの検査に、測長およびトルク測定を適用して良・不良を判別しています。プレス部品の板厚寸法のばらつきの影響や、ブッシュが正常に装着されていない場合でもある程度のトルクを有することなどを原因として、「良品を不良品として判別してしまう過検出」や「不良品を良品として判別してしまう検査誤り」が問題になることがあります。
本開発課題では、ドアヒンジのブッシュの装着状況検査に、PLC制御および画像処理技術を適用し、実際にラインに組み込むことを想定して、ヒンジの供給と姿勢制御、ブッシュの検査、良・不良品の分別および収納までを自動化し、検査の時間短縮と精度を標準化する産業用画像処理システムを構築しました。

成果

開発したドアヒンジの自動検査システムの外観を図1に、システム構成を図2に示します。機構部と制御部および画像処理部により構成し、ドアヒンジのブッシュの装着状況検査を自動化しました。図3に示す第一検査部では、LED照明を一体化したCCDカメラを用いて、正面から左右のブッシュを同時に撮像します。正面からでは良否を確定できない場合には、第二検査部で組立時にピンに押し込まれる右側のブッシュのみを撮像して追加検査します。現状の測長およびトルク測定検査に比べて、検査時間を約40%短縮し、検査精度の標準化を実現しました。
ドアヒンジの自動検査システムの開発(H22)の画像1
図1 ドアヒンジの自動検査システムの外観
ドアヒンジの自動検査システムの開発(H22)の画像2
図2 自動検査システムの構成
ドアヒンジの自動検査システムの開発(H22)の画像3
図3 ドアヒンジの撮像状況