大学校及び設置科 職業能力開発総合大学校 小平キャンパス 生産システム技術系共同開発
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 機械:精密機器製作課題実習、自動化機器製作課題実習 電子:電子回路装置設計製作課題実習 情報:生産ネットワークシステム構築課題
課題に取り組む推奨段階 応用課程2年次 生産システム技術系(機械・電子・情報)ともに標準課題終了後
課題によって養成する知識、技能・技術

機械:DSI金型、およびハンドロボットの設計製作技術、射出成形・金型調整技術 電子:金型、ハンドロボットの駆動制御回路設計技術 情報:成形機との通信技術、無線通知システムの構築技術

製作の目的と概要

 世の中のプラスチック製品の多くは射出成形法により成形されています。しかし、自動車吸気系部品のような中空製品などは、構造上一般的な射出成形法では成形できません。このような製品は、成形品を半分ずつ成形し、その後手作業で接着・溶着させて形作る場合もあり、多くの手間がかかっています。
 射出成形技術を用いたDSI(Die Slide Injection)中空成形は、成形サイクルが長くなったり、金型構造が複雑で金型費用が上がるなどの問題点もありますが、中空製品において肉厚調整が必要なものなどを、後工程を省略して成形できるため生産性の向上が図れます。
このDSI金型とスプル取出しのハンドロボットの設計・製作、金型・ロボットの同調駆動制御、PCから成形機の通信および無線異常通知を含むシステムを構築し、関連技術・技能を習得します。

成果

今回開発したシステムは、キャビ・コアのスライドシステムを含んだDSI金型、スプル除去用のハンドロボットを製作し、金型・ロボット・成形機を同調制御して安全に動作させ、樹脂切れや成形品の抱き付きエラーなどを検知して無線で作業者に通知するシステムが完成しました。
DSIを用いた中空成形システムの開発(H22)の画像1
図1 中空製品
DSIを用いた中空成形システムの開発(H22)の画像2
図2 中空製品断面
DSIを用いた中空成形システムの開発(H22)の画像3
図3 システム構成