大学校及び設置科 職業能力開発総合大学校 小平キャンパス 建築施工システム技術科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 建築生産管理、施工法詳論、施工関係法規、安全衛生管理、施工図書実習、施工積算実習 山留め・構台施工管理課題実習、鉄筋コンクリート施工・施工管理課題実習
課題に取り組む推奨段階 鉄筋コンクリート施工・施工管理課題実習
課題によって養成する知識、技能・技術

課題を通して施工管理者としての知識・技術を身に付けます。

製作の目的と概要

課題に取り組む本科の学生は卒業後、各々の建設会社に就職し、施工管理者として働く予定です。建築現場において施工管理者は法律を遵守し、安全かつ工期内に施主の満足のいく建物を引き渡すことが任務となります。そのため任務の遂行に重要な施工計画を学ぶことが出来るテーマを選定しました。
労働安全衛生法第88条第2項では型枠支保工の支柱3.5m以上、足場の高さ10m以上などの規模になると事前に労働基準監督署長に計画を届け出ることが義務づけられています。現場では工事の施工計画において採用される工法、工事用重機の配置、安全設備などQCDSE面で適切か否か判断し決定します。そこで課題事例として東京校2号館を地下2階、地上7階、S造と仮定し施工計画を立てることにしました。これまでの実習・教育・訓練の集大成となる施工計画を提案しました。そして、施工計画がまとまった段階にて全員で議論を行い、改善案を提示します。その改善案をもって最終計画とすることで計画届の質の向上を図りました。

成果

88条の計画届はまとめることができました。作成した主な計画は以下のものです。
? 全体工程表
? 総合仮設計画図
? 各種施工計画図(杭、根切、山留・構台、地下躯体、鉄骨建方、型枠支保工)
? 各種構造計算書(山留・切梁、構台、型枠支保工)
? 安全衛生管理計画表
 課題に取り組んだ学生は近い将来このような計画作りの作業に現場で携わることになるでしょう。まとめるにあたって重要なことは工事ごとの詳細な情報収集、関係者とのコミュニケーション、計画案のQCDSE面からの比較・検討・評価・改善、わかりやすいプレゼンテーションなどであることを理解したと考えられます。
地下のある東京校2号館新築工事施工計画と施工計画の改善(H22)の画像1
図. 東京校2号館外観