大学校及び設置科 職業能力開発総合大学校 小平キャンパス 生産技術科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 安全衛生、機械製図、機械加工実習、CAD実習、CAD/CAM実習、数値制御加工実習、精密加工実習、製作実習、電気工学実験、シーケンス制御実習
課題に取り組む推奨段階 3次元CAD実習が終了し、メカのハードが完成に近づいたころにシーケンス制御実習の基礎編が終了している段階。
課題によって養成する知識、技能・技術

課題を通して、主に3次元CADによる機構設計、CAD/CAM関連技術による機械加工およびシーケンス制御関連の実践力を身に付けます。

製作の目的と概要

今回の総合製作実習の目的は、八足歩行ロボットの設計・製作を通して、機構学の理解を深めること、CADを利用した機構解析、機械加工、PLCによるシーケンス制御等を理解することです。 今回取り組んだロボットは、過去に制御技術科の総合制作実習において製作された八足歩行ロボット「メカタマ」を元に設計・製作しました。
このロボットは、左右二つのモータにより発生した動力を、歯車で各脚へ伝達し脚を駆動させています。脚部は電子制御を用いないで駆動させるために、リンク機構を採用しました。自力で姿勢を保つために、八本の脚のうち同時に三本以上の足が接地します。今回は「メカタマ」の脚部の機構をCADを用いた機構解析により検証し、問題点をあげ、その問題を解決し得る足を設計・製作しました。また、PLCとセンサにより、障害物の回避などの簡単な動きを、モータの正転・逆転を使って自律して行えるものにしました。

成果

「メカタマ」の問題点であった本体の上下のガタつきを改善することができました。しかし、足の振りあがる高さが約5mmと低く、これ以上の高さの障害物は乗り越えられなくなってしまいました。脚部の節の長さを調整することで、今回製作した足に比べて足の振り上がりを約2倍にすることが可能であることを、シミュレーションで確認することができましたので、改良型を製作する予定です。
八足歩行ロボットの設計・製作(H22)の画像1
図1 成果物
八足歩行ロボットの設計・製作(H22)の画像2
図2 「メカタマ」の脚部側面
八足歩行ロボットの設計・製作(H22)の画像3
図3 「メカタマ」の脚部前面