大学校及び設置科 東北職業能力開発大学校 生産システム技術系共同開発
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 ◆機械技術:機械設計、機械加工、機械製図、CAD/CAM技術など◆電気・電子技術:コンピュータシステム技術、実装技術、CAD/CAM技術、電子回路技術、プログラミング技術など◆情報技術:シリアル通信プログラミング、画像処理、ActiveX利用技術など
課題に取り組む推奨段階 ◆機械技術:NC工作機械による加工、3次元CADによる設計◆電気・電子技術:電子回路技術、プログラミング技術、CAD/CAMを用いた実装技術◆情報技術:コンピュータ制御プログラミング技術、計測制御システム構築応用実習 などを習得した段階
課題によって養成する知識、技能・技術

◆機械技術:精密加工および組立・調整等の総合的な実践力を身に付けます。◆電気・電子技術:・電子回路設計技術、プログラミング技術、実装技術等の総合的な実践力を身に付けます。◆情報技術:画像処理、GUIアプリケーション開発等の実践力を身に付けます。

製作の目的と概要

介護・福祉分野においては様々な問題を抱えていますが、このうち3科合同の複合技術で解決の一端を担える課題を選定しました。テーマの選定にあたっては、ヒアリング調査や福祉機器の見学など、県施設である介護研修センターに協力をいただき実施しました。
本課題は寝たきりの身体障がい者が、極力介助者の手助けなしに読書(PDFファイルによる電子書籍)を快適に行うことを目的としたものです。
またWebカメラで紙の書籍を撮影することで、電子書籍(PDFファイル)を作成する機能も併せて開発しました。

成果

読書支援システム利用時の全体像を図1に示します。本システムは手元の操作パネル(図2)からパソコン上の書籍(PDFファイル)の各種操作を行い読書を行うとともに、PCモニターを取り付けた表示ユニット(図3)の角度や位置を障がい者自身が行うことで快適な読書環境を自ら作り出すことに対応しています。 
また図4の自動読み取り機により紙の書籍をWebカメラで複数枚に撮影し、それを結合することで電子書籍(PDFファイル)を生成します。(図5)
電子書籍の管理には、専用の書庫管理アプリケーションを開発しました。(図6)
各装置間はZigBee®による無線通信で配線を極力排除することで介護作業や使用者への配慮を行いました。
身体障がい者向け読書支援システムの開発(H22)の画像1
図1読書支援システム全体像  図2 操作パネル
身体障がい者向け読書支援システムの開発(H22)の画像2
図3 表示ユニット  図4 自動読み取り機
身体障がい者向け読書支援システムの開発(H22)の画像3
図5 画像結合による電子書籍生成  図6 書籍管理アプリケーション