大学校及び設置科 北陸職業能力開発大学校 生産技術科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 測定、設計・製図、機構学、機械加工
課題に取り組む推奨段階 機械設計製図、CAD実習、測定実習?、メカニズム、機械加工実習終了後が望ましい
課題によって養成する知識、技能・技術

課題制作を通して、製図、加工、組立、調整、評価を実践することができるようになるとともに測定技術、機械加工技術、組み立て技術の実践力を身につけます。

製作の目的と概要

“からくりロボット”とは、日本の伝統的な機械仕掛けの人形のことであり、「茶運び人形」は、代表的なからくりロボットです。図3はポリテクセンター中部の訓練教材として用いられたロボットであり、材質として主にアルミ合金や銅合金などの非鉄金属材料を構成材料として用いています。
本総合制作実習では、2年での完成を目標とし、からくりロボットのオリジナル版を設計・製作することにしました。初年度の1年目は“からくりロボット”の見本を元に、まずは原寸サイズを製作し、その後、新たにオリジナルのからくり人形を設計・製作する元データを収集することにしました。この実習を通して設計の流れ、加工法などの知識、そして汎用工作機械などの扱い方等の技能や技術を身につけることを目的としました。

成果

製作の流れは次のとおりです。
   ? 参考元となるからくりロボットの観察:使用部品の形状、寸法、材質、動作を観察し、からくりロボット作成に必要な知識を深めました。
   ? 作業スケジュールの作成:設計・製作に入る前に全体の進行スケジュールを作成しました。
   ? 図面のトレース:実習で身につけた二次元CAD技術を用いて旧JIS規格で作図されていた見本図面から、新JIS規格に準拠した図面に再作図し、部品、形状の更なる理解に努めました。
   ? 組み立て図の作成:実習で身につけた三次元CAD技術を用いて、使用部品の動作や動作空間の確保、他部品との干渉などを確認するためにモデリング、その後アセンブリ作業を行いました。
   ? 購入部品の選定、発注作業:準備する部品点数の多さから発注表を作成し、数量の確認、部品費用、加工費用の調整を行いました。
   ? 加工・組立・調整:汎用ならびに数値制御工作機械を用いて、部品作成を行いました。加工後、組立・動作調整を行いました。
からくりロボットの製作(H22)の画像1
図1 茶運び人形((株)アドバンHPより抜粋)
からくりロボットの製作(H22)の画像2
図2 作成図面および部品
からくりロボットの製作(H22)の画像3
図3 完成品