大学校及び設置科 東海職業能力開発大学校 生産システム技術系共同開発
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 <生産機械システム技術科>機械設計、精密加工、計測制御、機械系CAD/CAM<生産電子システム技術科>電子回路、情報通信、組込マイコン、アクチュエータ、電子系CAD/CAM<生産情報システム技術科>情報通信、計測制御システム構築、生産管理システムなど
課題に取り組む推奨段階 応用課程2年次
課題によって養成する知識、技能・技術

主として、生産機械システム技術科は機械設計、精密加工技術、生産電子システム技術科はセンサ応用技術、組込マイコン技術、生産情報システム技術科は通信技術、制御アプリケーション技術について複合的かつ応用的技術として実践的に習得します。

製作の目的と概要

ガンの放射線治療装置は、定期的にファントムと呼ばれる模型を用いたQA(品質保証)が行われています。近年、4次元CTやIMRT(強度変調放射線治療)などにより、呼吸に伴う腫瘍の動きを考慮した治療が可能になってきています。これらの装置のQAには肺の動きも模擬できる動体ファントムを用いる必要がありますが、既存の動体ファントムは位置決め精度や動作範囲、装置価格、重量等の問題から普及に至っていないのが現状です。そこで、高度な機構設計および電気制御技術の応用により、肺部の腫瘍の動きを正確に模擬できる軽量かつ高精度で実用性の高い新たな機能を持つ動体ファントムの試作機を開発しました。

成果

3軸機構を用いて、既存製品にはない大きな動作ストロークと、高い位置決め精度を実現することができました。装置外形および質量も最小となるよう、さらに企業での製造コストも考慮した上で設計に工夫を凝らしました。
またアプリケーションは、動作シミュレーション機能、動作モニタ機能、データ編集機能、人体模型干渉回避機能等も備え、より実用的な機能と操作性を実現しました。ターゲットの振動の問題と人体模型との接続部分が未解決なので、それが今後の課題となります。
呼吸連動胸部動体ファントムの開発(H22)の画像1
図1 システム全体構成図
呼吸連動胸部動体ファントムの開発(H22)の画像2
図2 3軸ユニット
呼吸連動胸部動体ファントムの開発(H22)の画像3
図3 アプリケーション画面